世界最高峰の豪華な顔ぶれが集結!
1983年から毎年開催されている、「名古屋クラシックフェスティバル」。期間中には、世界的な超一流アーティストが続々と名古屋を訪れ、名演の花を咲かせる。34回目を数える今年も、愛知県芸術劇場コンサートホール・大ホールを舞台に、“世界最高峰”の豪華な顔ぶれによる全7公演がずらり。全公演を同じ席で愉しみたいなら、料金もお得な通し券「MY SEAT」が用意されている。
幕開けを告げるのは、「レ・ヴァン・フランセ」(10/23)。ベルリン・フィル首席フルート奏者のエマニュエル・パユ、現代最高のクラリネット奏者ポール・メイエら、世界的な管楽器の名手たちに、フランスの名ピアニスト、エリック・ル・サージュが加わった夢のアンサンブルだ。今回はプーランクの六重奏曲やシュポアの大五重奏曲ほか、佳品をたっぷりと。
名匠ヘルベルト・ブロムシュテットは、輝かしい歴史を誇るドイツの名門・バンベルク交響楽団を率いて、再び名古屋へと降臨(11/1)。ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」と第5番「運命」を聴かせる。4年前にも同じコンビで登場し、交響曲第3、7番を披露。「演奏史に残る名演」と音楽ファンを騒然とさせただけに、今回も圧倒的な快演が期待できそう。
一方、常に“完璧”という言葉で称賛されるのが、現代最高のソプラノであるエディタ・グルベローヴァ。東欧随一の実力を誇る名門・プラハ国立歌劇場とのプロダクションで、ベルカント・オペラの最高傑作であるベッリーニの《ノルマ》に挑む(11/3)。「清らかな女神よ」をはじめ、名アリアに彩られる一方、超難曲としても知られるだけに、ディーヴァの技量と魅力が満喫できよう。
完璧な技巧と美しい音色は勿論、そこへ常に映し出す深い人間性で、聴衆の心を掴むチェロのミッシャ・マイスキー(11/20)。ステージでは、バッハの無伴奏組曲から第3番をはじめ、愛娘リリーのピアノを伴って、ピアソラ「グラン・タンゴ」やフォーレ「エレジー」、ヴァイオリン作品から編曲したフランクのソナタなど、魅力的な旋律でホールを満たす。
また、今年の元旦にウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートへ3度目となる登場を果たすなど、「世界で最も人気の高い指揮者」の1人と言えるのが、ラトビア出身の巨匠マリス・ヤンソンス。2003年から首席指揮者としてコンビを組む、ドイツの名門・バイエルン放送交響楽団と共に、ハイドンの交響曲第100番「軍隊」とR.シュトラウス「アルプス交響曲」、120年を隔てた2つのオーストリアの傑作を共鳴させる(11/24)。
1970年のデビュー以来、檜舞台で活躍を重ね、“世界三大テノール”の一翼も担ったホセ・カレーラス。白血病も克服して素晴らしい歌声を披露し続け、社会貢献活動にも力を注ぐ。注目のリサイタルは、「スピリット・オブ・クリスマス」と題して(11/30)。アルバレス「祈り」など母国スペインの歌曲やイタリア民謡など、多彩に謳い尽くす。
そして、掉尾を飾るのが、「ベルリン・フィル八重奏団」(2017.1/27)。楽団が公認した初の室内楽団として結成から80年余り、常に首席級で構成され、“ベルリン・フィルのエッセンス”ともいうべき調べを紡いで来た。今回も、第1コンサートマスターの樫本大進ら名手が参加。シューベルトの八重奏曲やドヴォルザーク「5つのバガテル」ほかを披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)
レ・ヴァン・フランセ 10/23(日)13:30
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮) バンベルク交響楽団 11/1(火)18:45
プラハ国立歌劇場《ノルマ》 11/3(木・祝)17:00
ミッシャ・マイスキー(チェロ) 11/20(日)13:30
マリス・ヤンソンス(指揮) バイエルン放送交響楽団 11/24(木)18:45
ホセ・カレーラス(テノール) 11/30(水)18:30
ベルリン・フィル八重奏団 2017.1/27(金)18:45
愛知県芸術劇場 コンサートホールおよび大ホール
5/28(土)発売 MY SEAT:発売中
問:中京テレビ事業052-957-3333
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