
レクチャー付きコンサート「ムズカシイはおもしろい!!」を継続している古典四重奏団は、これまでにこのシリーズ名でバルトーク、ベートーヴェン、そしてショスタコーヴィチという弦楽四重奏曲の中心的作品を演奏してきた。次回はフランスの弦楽四重奏曲を「フランス音楽の粋と情熱」と題して取り上げる。
メンバーのひとりで、レクチャーも担当するチェリストの田崎瑞博に話を聞いた。
「クァルテット界の大物は終わったので、じゃあ、次は何を?ということではなく、古典四重奏団の結成当初からも取り組んできたフランス音楽を、ようやくまとまった形で取り上げます」
ドビュッシー、ラヴェル、フォーレだけではなく、エルネスト・ショーソンの未完の作品(ヴァンサン・ダンディの補筆で演奏できる形になった)も含むという古典四重奏団らしいプログラミング。2回ずつに分け、9月24日〈前編の夜〉、29日〈前編の昼〉でショーソンとラヴェルを、10月27日〈後編の夜〉、30日〈後編の昼〉でフォーレとドビュッシーを取り上げる。
「レクチャーの時間を30分ほどいただきますので、4曲一気にという訳にはいかないのですが、ぜひ両方ともお越しいただければ嬉しいです」
いつものように暗譜で演奏するということで、あの複雑なフランス音楽の世界に取り組むのも、また違った苦労がありそうだ。
「それはどの作品も同じなのですが、私たちが暗譜にこだわるのは、楽曲そのものが演奏者の身体のなかに入ってくることがまず大事で、それを起点に音楽を表現することがライブで演奏する意味を深めると思っているからです。
確かにフランス音楽は、和声の点では複雑に絡み合い、独特の個性を表現しているという特徴がありますし、難しい部分も多いと思います。しかし、それぞれの作曲家が引き継いでいる、フランス音楽に共通するバロック時代からの伝統のような部分は、メンバーそれぞれのこれまでの活動と重なるところもあり、今回の演奏で、さらに音楽的な理解を深めることが出来るのではと楽しみです」
中でもショーソンの作品はほとんど実演に接する機会が無いだけに、レクチャーを含めて興味が高まる。加えて、補筆のダンディという存在が、あの時代のフランスを表現してくれるのでは、と個人的にもコンサート・リストに二重丸を付けておきたいと思っている。
取材・文:片桐卓也
(ぶらあぼ2026年9月号より)
古典四重奏団 ムズカシイはおもしろい!! フランスの粋と情熱2026
前編の夜 2026.9/24(木)19:00 前編の昼 9/29(火)14:00
後編の夜 10/27(火)19:00 後編の昼 10/30(金)14:00
ルーテル市ヶ谷ホール
問 ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
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片桐卓也 Takuya Katagiri
1956年8月、福島県生まれ。早稲田大学在学中からフリーランスとして仕事を始め、映画、旅、自動車などの雑誌に関わる。1990年ごろから本格的にクラシック音楽関係の取材を始め、音楽雑誌に寄稿している。他に、コンサートの曲目解説、録音のライナーノーツの執筆なども多数。余裕があれば、バロック期のオペラを聴きにヨーロッパへ出かけている。趣味は都会の廃墟探訪。
