豪華歌手陣&制作スタッフに子どもたちも加わり作りあげるチームアップ!オペラ《アマールと夜の訪問者》

2020年、コロナ禍で行われた初演より ©飯田耕治

 2020年に「東京文化会館オペラBOX」シリーズとして初演されたメノッティ作曲《アマールと夜の訪問者》が、東京都などによる「ネクスト・クリエイション・プログラム」のひとつとして、多摩地区の2ホールで再演される。「チームアップ!オペラ」というタイトルからわかるように、前回同様公募によって集まった子どもたちが事前ワークショップを通して大道具や小道具を製作したり、児童合唱を担当したりする参加型プログラムだ。初演時はコロナ禍だったため様々な制約があったが、今回は完全版ということになる。メノッティ自身が目を向けていた貧困やマイノリティというテーマは、現代においてよりリアリティを増している。そこをどう観客にみせるか、岩田達宗の演出に期待がかかる。指揮は前回の園田隆一郎から変わって柴田真郁が担当。クラリネット、チェロ、ピアノという編曲版を踏襲しつつ、より充実した音響を実現させるべく腕を振るう。

 脚の不自由な少年アマールは母親との貧しい2人暮らし。空に大きな星が輝くのを見つけた夜、救い主のもとへ旅する3人の王がやってくる。母親は王たちが持っている宝石を盗もうとするが、アマールは必死で母親を庇う。そして、救い主のために自分の杖を捧げると決心するアマールに奇跡が起こる…。アマールを演じるのは初演に引き続き盛田麻央。母親は関西を中心に活躍するメゾソプラノ八木寿子。そして岡昭宏、久保田真澄、工藤和真という個性の違う3人がどんな王様になるのかも注目だ。

文:室田尚子

(ぶらあぼ2026年9月号より)

ネクスト・クリエイション・プログラム
チームアップ! オペラ《アマールと夜の訪問者》
2026.9/20(日)15:00 狛江エコルマホール
10/4(日)15:00 たましんRISURUホール(立川市市民会館)
問 東京文化会館チケットサービス03-5962-1788
https://www.t-bunka.jp


室田尚子 Naoko Murota

東京藝術大学大学院修士課程(音楽学)修了。東京科学大学・昭和音楽大学非常勤講師。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」レギュラー・パーソナリティ。オペラを中心にアーティストのインタビューや演奏会の紹介記事、エッセイなどを手がけるほか、ミュージカル、ロック、少女漫画などのジャンルでも執筆活動を行なっている。著書に『オペラの館がお待ちかね』(清流出版)、共著に『ヴィジュアル系の時代 ロック・化粧・ジェンダー』(青弓社)など。