パオロ・パンドルフォ&アメリ・シュマンが贈るヴィオラ・ダ・ガンバ200年の旅

左:パオロ・パンドルフォ ©Susanna Drescher
右:アメリ・シュマン

 ヴァイオリン属より前から芸術音楽向け弓奏弦楽器として愛されていたヴィオラ・ダ・ガンバが主役となるリサイタルは、今はチェンバロなど別の楽器が添えられることも多いが、元来この楽器はむしろ無伴奏やガンバ同士の二重奏でこそ頻繁に奏でられていた。ガンバの思わぬ可能性を引き出し世界を驚かせてきた名匠パオロ・パンドルフォは今秋、CDでも共演を重ねるフランスの名手アメリ・シュマンとの二重奏でガンバ本来の姿に立ち返り、その全盛期から廃れる直前まで人々を惹きつけていた魅力の真相に迫るプログラムを日本で披露する。

 欧州3地域を巡り歴史的推移を俯瞰する好選曲には、自身その全曲をガンバで録音したバッハ「無伴奏チェロ組曲」の曲も含まれるが、人の声の対話にも通じるこの楽器の味わいを堪能できる英国やフランスの名品群、繊細なロココの機微を伝えるプロイセン王室由来の秘曲も聴き逃がせない。大好評だった2024年の20年ぶりの来日公演を聴き逃がした方にも朗報だ。

文:白沢達生

(ぶらあぼ2026年9月号より)

パオロ・パンドルフォ & アメリ・シュマン ―天上の歓び―
ヴィオラ・ダ・ガンバ200年の黄金の歴史
2026.9/12(土)14:00 三鷹市芸術文化センター 風のホール
問 三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122
https://mitaka-sportsandculture.or.jp

他公演
9/13(日) 横浜/フィリアホール(045-982-9999)


白沢達生 Tatsuo Shirasawa(翻訳者・音楽ライター)

青山学院大学大学院で西洋美術史を学び、音楽雑誌編集をへて音楽ソフト輸入販売に携わる。仏・伊・英・独・蘭・西語など欧州諸言語の翻訳と記事執筆に従事。ラジオやイベントでプレゼンターも務める。CDライナーノート翻訳・執筆多数。訳書にジル・カンタグレル著『バッハを愉しむとき』(フランスAlpha)、『フィリップ・ヘレヴェッヘとの対話』(カミーユ・ド・レイクによるインタビュー、ベルギーPhi)など。マンガ・書籍の監修も手掛ける。