【SACD】アステリズム/北村朋幹

北村朋幹は幅広いレパートリーとキレ味鋭いテクニックで評価を高めているが、本盤は前衛が尖っていた戦後現代音楽の、中でも極めつけに尖った作品を集めたもの。選曲のキーは「星群・星座」のイメージだが、それは「アステリズム」「峡谷から星たちへ…」といった作曲家自身が付与したものだけでなく、割れたガラスのように鋭く弾ける北村のピアニズムの透明感や宇宙的な広がりが楽曲にもたらすものでもある。名作の呼び声が高いのに長らく新録音のなかった八村義夫「星辰譜」も、21世紀的なセンスで蘇った。各楽曲の解像度の高さと滑らかな運びに、ピアノ演奏自体の進化も実感した。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2026年5月号より)

【information】
SACD『アステリズム/北村朋幹』

武満徹:アステリズム、フォー・アウェイ/ベリオ:セクエンツァ IV/シュトックハウゼン:ピアノ曲 IX/メシアン:「峡谷から星たちへ…」よりマネシツグミ/八村義夫:星辰譜

北村朋幹(ピアノ)
井上道義(指揮)
札幌交響楽団
林悠介(ヴァイオリン)
野本洋介(ヴィブラフォン)
西久保友広(チューブラーベル)

収録:2024年5月 札幌コンサートホールKitara(ライブ) 他
フォンテック
FOCD9932 ¥3300(税込)