日本と欧州を拠点に、ソリスト、室内楽奏者として活躍するピアニストの竹内麻優。本盤は桐朋学園大学を経てドイツで学び、着実に国際的な演奏家として歩みを続けている彼女のデビュー・アルバムである。中心となるのはシューベルトのピアノ・ソナタ第21番。やわらかさの中に強い意志を感じさせる音色が魅力の竹内の演奏は、現世を超えた世界観を描き出した楽曲の本質に迫っている。そして深く広がる情景や心情を、ともに収録されたリストの「愛の夢」第3番や「詩的で宗教的な調べ」の〈葬送 1849年10月〉がより説得力のあるものへと昇華していく。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2026年6月号より)
【information】
CD『Herzlich/竹内麻優』
リスト:愛の夢 第3番、「詩的で宗教的な調べ」より〈葬送 1849年10月〉/シューベルト:ピアノ・ソナタ第21番
竹内麻優(ピアノ)
オクタヴィア・レコード
OVCT-00219 ¥3520(税込)

長井進之介 Shinnosuke Nagai
国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
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