2014年2月にバイエルン放送響に客演したブロムシュテットのコンサートとリハーサル。演奏は楽団の気品ある音色がすばらしく、それを味わい深く、でも少しも重苦しくなく構築。流れるように瑞々しく、端整で古典的なブラームスを味わえる。リハーサルは元気いっぱい。欠点のない水準のオケに、細かい要求を妥協なく重ね続け、理想のフレーズ感を実現するためにとにかくよく歌う。このとき86歳、一般的には相当に高齢のはずだが、語り口は速く、テンションも高く、エネルギーを発散する。98歳の現在も世界の第一線にある彼の、音楽作りの秘密と、元気の秘訣をも垣間見る。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2026年6月号より)

【information】
CD『ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲(演奏とリハーサル)/ヘルベルト・ブロムシュテット&バイエルン放送響』
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲(コンサートでの演奏&リハーサル抜粋)
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
バイエルン放送交響楽団
収録:2014年2月、ミュンヘン(ライブ)
BR-KLASSIK/ナクソス・ジャパン
NYCX-10597 ¥3300(税込)

林 昌英 Masahide Hayashi
出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。
