堀正文、川本嘉子、中野振一郎がリードするアンサンブル

愛知室内オーケストラ(ACO)の「アンサンブルシリーズ」第5回(11/13、名古屋/電気文化会館 ザ・コンサートホール)は「ザ・レジェンド」と題し、世代とバックグラウンドを異にする音楽家たちがJ.S.バッハの「ブランデンブルク協奏曲」全曲(第1〜6番 BWV1046〜1051)演奏で出会う。
いきなり出身音楽大学の話をすれば、ヴァイオリンのソロと全体のリードを担うNHK交響楽団元ソロ・コンサートマスターの堀正文が独・フライブルク音大、ヴィオラ・ソロでACO弦楽器アドヴァイザー兼首席客演奏者の川本嘉子とチェンバロのソロ、通奏低音を受け持つ中野振一郎が桐朋学園大学音楽学部。ACOは愛知県立芸術大学音楽学部の卒業生を中心に発足している。それぞれの過去・現在・未来が交差するなか、様々な楽器のソロが交互に現れる合奏協奏曲の妙味も浮き彫りになるはず。今回の企画には、堀がこれまでに培ってきた音楽を次世代の奏者に継承していきたいという川本の思いがあるという。「第5番」は実質チェンバロ協奏曲作品だけに、名手・中野の腕の冴えにも注目だ。
文:池田卓夫
(ぶらあぼ2025年7月号より)
愛知室内オーケストラ ザ・レジェンド~アンサンブルシリーズ第5回~
2025.11/13(木)18:30
名古屋/電気文化会館 ザ・コンサートホール
7/10(木)発売
問:愛知室内オーケストラ052-211-9895
https://ac-orchestra.com

池田卓夫 Takuo Ikeda(音楽ジャーナリスト@いけたく本舗®︎)
1988年、日本経済新聞社フランクフルト支局長として、ベルリンの壁崩壊からドイツ統一までを現地より報道。1993年以降は文化部にて音楽担当の編集委員を長く務める。2018年に退職後、フリーランスの音楽ジャーナリストとして活動を開始。『音楽の友』『モーストリー・クラシック』等に記事や批評を執筆する他、演奏会プログラムやCD解説も手掛ける。コンサートやCDのプロデュース、司会・通訳、東京音楽コンクール、大阪国際音楽コンクールなどの審査員も務める。著書に『天国からの演奏家たち』(青林堂)がある。
https://www.iketakuhonpo.com