
谷地畝晶子/隠岐速人(c)Y.Hanai/後藤春馬
バッハの音楽思考の最も重要な基本となっていたのはオルガンである。モーツァルトはオルガンを「楽器の王」と呼んで、その音楽性の豊かさに敬意を払っていた。今年のサマーミューザの「真夏のバッハ」は、そんなバッハとモーツァルトに焦点を当てて、オルガンのための名曲のみならず、歌手陣も参加しての『マタイ受難曲』や『レクイエム』なども抜粋で取り上げる。徳岡めぐみは2001年シュニットガー国際オルガンコンクールで優勝、02年には北ドイツ放送(NDR)音楽賞国際オルガンコンクールで第2位を受賞するなど、屈指の実力派。定評あるミューザのオルガンからどのような音色を引き出すのか、そして声との美しいハーモニーも楽しみである。
文:林田直樹
【Information】
真夏のバッハⅩ
歌とパイプオルガン 祈りの調べ
2025.8/3(日)19:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
(18:15開場)
パイプオルガン:徳岡めぐみ
ソプラノ:隠岐彩夏、経塚果林
メゾ・ソプラノ:谷地畝晶子
テノール:隠岐速人
バス・バリトン:後藤春馬
プログラム
J.S.バッハ:幻想曲 ト長調 BWV572
J.S.バッハ:『マタイ受難曲』 BWV244 から アリア「憐れみたまえ、わが神よ」
モーツァルト:『レクイエム』 K.626から「涙の日」
J.S.バッハ:バビロン川のほとりにて BWV653
J.S.バッハ: 幻想曲とフーガ ト短調 BWV542
モーツァルト:幻想曲 へ短調 K.608
J.S.バッハ:『マニフィカト』 BWV243 から第2曲 アリア「わが霊は救い主なる神を喜びたたえん」、第10曲 アリア(三重唱)「主はその僕イスラエルを」
J.S.バッハ:「わが魂は主をあがめ」~マニフィカトによるフーガ BWV733
モーツァルト:『証聖者のための荘厳晩課(ヴェスペレ)』 K.339 から「主をほめたたえよ」
J.S.バッハ:パッサカリア BWV582
●ホール座席券(全席指定)
一般 | 4,000円 |
友の会 | 3,600円 |
U25(小学生以上25歳以下):2,000円
※U25割引はミューザ川崎シンフォニーホールおよびチケットぴあで購入できます。
※未就学のお子さまはご入場いただけません。
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/calendar/detail.php?id=4423
特集:フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2025
川崎の夏を彩るオーケストラの祭典が今年もやってくる!ホスト・オーケストラの東京交響楽団をはじめとする首都圏の10団体に加え、九州交響楽団が初登場。計11のオーケストラが日替わりで熱き競演をくり広げる。注目の指揮者陣には、東響の音楽監督として最後の出演となるジョナサン・ノット、東京シティ・フィル常任指揮者の高関健、神奈川フィル音楽監督の沼尻竜典、新日本フィルの前音楽監督・上岡敏之、日本フィルを指揮する下野竜也と名匠たちが揃う。一方、九響の若き首席指揮者・太田弦をはじめ、出口大地、熊倉優、松本宗利音(しゅうりひと)、小林資典(もとのり)とフレッシュな顔ぶれも。「サマーナイト・ジャズ」、歌とオルガンで楽しむ「真夏のバッハ」、小川典子がライフワークとする「イッツ・ア・ピアノワールド」など恒例企画ももちろん健在。熱い夏の到来が待ちきれない!