東京フィル×三ツ橋敬子、次世代の才能・角野未来と奏でる不朽の名曲

左:三ツ橋敬子
右:角野未来

 東京フィルハーモニー交響楽団は1997年より千葉市と事業提携を結び、千葉市民会館で定期演奏会を開催している。26年2月1日の第58回千葉市定期演奏会では、三ツ橋敬子の指揮、角野未来のピアノによりウィーン古典派の名曲をとりあげる。

 指揮の三ツ橋敬子は第10回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで優勝して以来、着実に活躍の場を広げてきた実力者。国内主要オーケストラと共演を重ねながら、スロヴァキア・フィルなどヨーロッパの楽団にも客演し、国際的な活動を続けている。東京フィルの指揮台には早くから招かれており、オーケストラとの厚い信頼関係で結ばれている。

 一方、角野未来は注目の若手だ。25年のアンリ・コワルスキ国際ピアノコンクール優勝、23年の第21回東京音楽コンクールピアノ部門第3位の入賞歴を誇る。兄の隼斗は東京大学大学院情報理工学系研究科で学んだ異色の経歴で知られるが、角野未来は東京藝術大学を経て同大学院音楽研究科で学び、現在はリヨン国立音楽院マスター課程に在学中。着実に研鑽を積みながら音楽家として大きく羽ばたきつつある。

 プログラムは、モーツァルトの歌劇《劇場支配人》序曲とピアノ協奏曲第21番、ベートーヴェンの交響曲第7番。すべてが名曲中の名曲だ。清澄で透明感あふれるピアノ協奏曲第21番で、角野がどのようなピアノを聴かせてくれるのか、注目が集まる。ベートーヴェンの交響曲第7番では三ツ橋と東京フィルが会場を熱狂へと誘うことだろう。

文:飯尾洋一

(ぶらあぼ2025年11月号より)

東京フィルハーモニー交響楽団 第58回 千葉市定期演奏会
2026.2/1(日)15:00 千葉市民会館 
2025.10/21(火)発売
問:東京フィルチケットサービス03-5353-9522 
https://www.tpo.or.jp


飯尾洋一 Yoichi Iio

音楽ジャーナリスト。著書に『クラシックBOOK この一冊で読んで聴いて10倍楽しめる!』新装版(三笠書房)、『クラシック音楽のトリセツ』(SB新書)、『マンガで教養 やさしいクラシック』監修(朝日新聞出版)他。音楽誌やプログラムノートに寄稿するほか、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなど、放送の分野でも活動する。ブログ発信中 http://www.classicajapan.com/wn/