2016年に創立60周年を迎える日本フィルハーモニー交響楽団(日本フィル)の首席指揮者にピエタリ・インキネン(現・首席客演指揮者)が就任する。日本フィルが4月20日に都内で行った会見で発表した。2016年9月から就任。任期は3年。年3回の来日を予定している。2015/16シーズンは首席客演指揮者としての契約を延長する。
(Photo: M.Otsuka/TokyoMDE )
インキネンは2008年、ニュージーランド交響楽団の音楽監督に就任したほか、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、バイエルン放送響、スカラ座管、ウィーン放送響等に客演。今、国際舞台で活躍し、注目を集めている。2009年より日本フィルの首席客演指揮者に就任。母国の作曲家シベリウスを中心に取り組んできたほか、2013年9月の定期演奏会での《ワルキューレ》第1幕(演奏会形式)を大成功に導いた。その成功を踏まえ今後はワーグナーを中心にドイツ音楽の重厚な深みのある音を追求、また古典の作品なども取り上げ、日本フィルの新たなレパートリーを展開していく予定だ。
また、日本フィルがかかげる3つの柱の一つであるエデュケーションプログラムの一環として「インキネン・アカデミー」と称したエデュケーションプログラムの企画を予定している。これについてインキネンは「自分自身が若い頃からとても恵まれた環境にあったので、同様な環境を作り、若手の奏者や指揮者の教育を積極的にしていきたい」とその思いを熱く語った。
また、日本フィルの首席指揮者を受けた理由について、「最初の共演時からお互いの息が合い、音楽に対する情熱が共鳴するところを感じ就任することは自然の流れだった」と語った。
続けて、昨今コンサートホールに足を運んで音楽に身を委ねるファンが少なくなっていることに思いをはせ「演奏会を続けていくことはとても大切です。人と人とを結ぶ生演奏の力強さを、演奏者が情熱を持ち、質の高いものを提供することで、どんな方にでも何かを感じてもらえると考えている。二度とない実演の経験でその音楽の素晴らしさ、音楽の強さを聴衆に感じて頂けたらと考えています」と締めくくった。
なお、日本フィル首席指揮者就任に先立ち、2015年9月からプラハ交響楽団の首席指揮者に就任。2016年1月にインキネンと同楽団が日本公演を行う。
インキネンが指揮する日本フィルの2015/16シーズン演奏会の日程と曲目は以下のとおり。
2015年
◎11/6,11/7 東京定期演奏会
シベリウス:歴史的情景第1番、交響詩《ルオンノタール》,
マーラー:大地の歌
◎11/13 杉並公会堂シリーズ
◎11/14 横浜定期演奏会
◎11/15 相模原定期演奏会
シベリウス:歴史的情景第2番
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲
(Vn:ピエタリ・インキネン 扇谷泰朋)
チャイコフスキー:交響曲第5番
2016年
◎4/16 横浜定期演奏会
ヴェルディ:レクイエム
◎4/22,23 東京定期演奏会
ブリテン:ヴァイオリン協奏曲(Vn:庄司紗矢香)
ホルスト:惑星
◎9/27 就任披露演奏会 ワーグナー・ガラ・コンサート
サイモン・オニールT
【日本フィルハーモニー交響楽団 新指揮者体制】
(2016年9月〜)
桂冠指揮者兼芸術顧問:アレクサンドル・ラザレフ
桂冠名誉指揮者:小林研一郎
首席指揮者:ピエタリ・インキネン
正指揮者:山田和樹
ミュージック・パートナー:西本智実
■日本フィルハーモニー交響楽団
http://www.japanphil.or.jp