ミューザの大みそかを彩る「MUZAジルべスター」に4人のホールアドバイザーが大集結

左より:秋山和慶(c)堀田力丸、松居直美(c)木之下晃
小川典子(c)Patrick Allen operaomnia.co.uk、宮本貴奈

映画音楽から大管弦楽まで、
「パリ・オリンピック」にちなんだバラエティ豊かなプログラム

 ミューザ川崎シンフォニーホール恒例、大晦日の「MUZAジルベスターコンサート」(ジルベスター Silvesterはドイツ語で「大晦日」の意味)。開館20周年の今年は、4人のホールアドバイザーが勢揃いだ。一般的なホールの「館長」に当たるのがミューザの「ホールアドバイザー」で、複数のアーティストがホールのあり方や主催公演についてアドバイスし、またミューザをアピールする“顔”の役割も担っている。現在のホールアドバイザーは、秋山和慶(指揮者)、松居直美(オルガニスト)、小川典子(ピアニスト)、宮本貴奈(ピアニスト/ヴォーカリスト/作・編曲家)の4人。

 プログラムは、ミューザを本拠地とする東京交響楽団を秋山和慶(指揮者生活60周年!)が指揮するフランス音楽特集が軸。日本人選手団の大活躍に沸いた夏のパリ五輪の余韻も響く。

 ミシェル・ルグランの映画音楽メドレー(編曲・ピアノ=宮本貴奈)、ラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調(独奏=小川典子)。そしてサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」(後半=第2楽章)で2024年のミューザを締めくくる。この曲では、上述のホールアドバイザー4人全員が共演するという祝祭モード。つまり、指揮とオルガン独奏が秋山和慶と松居直美であるのは言うまでもないけれど、オケ中の連弾ピアノを小川典子と宮本貴奈が弾くというぜいたくな布陣だ。荘厳なオルガンの響きと、キラキラときらめくピアノのアルペッジョの対比に、いつも以上に耳をすましたい。

斎藤優貴

 ここにさらに、注目のギタリスト斎藤優貴の独奏でロドリーゴ「アランフェス協奏曲」も加わる。斎藤は3年前に、世界で最も権威あるギターコンクールのひとつとして知られる「ミケーレ・ピッタルーガ国際ギターコンクール」で最高位を獲得するなど、50を超える国際コンクールの入賞歴を誇る27歳の新鋭。川崎市出身の彼をゲストに迎えてゆく年を送るのは、いつもながらの「音楽のまち・かわさき」らしい趣向だ。

文:宮本明

MUZAジルベスターコンサート2024
2024.12/31(火)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール


出演
指揮:秋山和慶(ミューザ川崎シンフォニーホール チーフ・ホールアドバイザー)
パイプオルガン:松居直美(同 ホールアドバイザー)
ピアノ:小川典子(同 ホールアドバイザー)
ピアノ・編曲:宮本貴奈(同 ホールアドバイザー)
ギター:斎藤優貴
管弦楽:東京交響楽団

曲目
ミシェル・ルグラン・メドレー(宮本貴奈編)
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
サン=サーンス:交響曲第3番 ハ短調 op.78「オルガン付き」から 第2楽章

問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
https://www.kawasaki-sym-hall.jp