「楽器の女王」の謎と魅力を解き明かす
その音色の多彩さと圧倒的な迫力から、「楽器の女王」にも例えられるパイプオルガン。たった一台の楽器で、オーケストラにも匹敵する表現を可能にする秘密のひとつが、様々な音色を組み合わせて、新しい音を生み出してゆく「レジストレーション」と呼ばれる作業だ。今回は、神奈川県民ホールのオルガンアドバイザーも務めるオルガニストの荻野由美子が、音の原色とも言うべき30種の「ストップ」を備えた、同ホールの独ヨハネス・クライス社製の銘器を使い、無限の色を創り出してゆく“音のパレット”上の作業を大公開。その上で、バッハの「小フーガト短調」やコラール「目覚めよ、と呼ぶ声あり」など聴き馴染みのある旋律や、メンデルスゾーンのソナタ第2番やデュリュフレ「来たれ創り主なる聖霊」によるコラール変奏曲など、オルガンの魅力を最大限に発揮する佳品の数々を披露する。その秘密を知れば、楽しみ方もきっと広がるはず。あなたの音楽体験を、劇的に変えるステージになるかも。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年3月号から)
3/28(土)15:00 神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-kenminhall.com