第4回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ

将来のスター・プレイヤーたちの競演


 首都圏の音楽大学によって、相互の協力と交流を目的として始められた『音楽大学オーケストラ・フェスティバル』は、今後の活躍が期待される若き才能の競演が話題をよび、毎回高い評価を受けている。
 その特別版ともいえるのが「音楽大学フェスティバル・オーケストラ」だ。首都圏の9校の音楽大学から選抜された若き俊英たちを導くのは、昨年まで10年にわたり東京交響楽団の音楽監督を務めたユベール・スダーン。モーツァルトなど古典派の作品を中心としたプログラム展開によって同楽団の音楽性を更に高めた。スダーンのレパートリーの中心はモーツァルトやマーラーをはじめとする、ドイツやオーストリアものであるが、イタリア・オペラでも高い評価を得ており、その音楽性は実に多彩だ。今回演奏されるのは、異国情緒と実験的な響きが特徴的なグリンカ《ルスランとリュドミラ》序曲、色彩感と幻想性の強いレスピーギの交響詩「ローマの松」、描写性の豊かなムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」である。
 なお、このプログラムは、2011年の東日本大震災の影響で中止となり、“幻”となっていた第1回のもの。「若く才能あふれた学生たちと共に、ひとつのオーケストラを創り上げていく事は、彼らにとっても、私にとっても素晴らしい経験となるでしょう」とスダーンは述べており、若き情熱を明晰な音楽性を持つ指揮者がどのように纏め上げていくのか非常に楽しみである。
文:長井進之介
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年3月号から)

3/28(土)15:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200 
http://www.kawasaki-sym-hall.jp
3/29(日)15:00 東京芸術劇場コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 
http://www.geigeki.jp

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