第30回 ヨハネス・ブラームス国際コンクールで日本勢が上位入賞

 オーストリア南部のペルチャッハで9月1日から開催されていた第30回ヨハネス・ブラームス国際コンクール(International Johannes Brahms Competition)(主催:ヨハネス・ブラームス協会) の審査が終了し、結果が発表された。

笠井大暉
田畑音葉

 今年はピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、室内楽の4部門が実施され、現地時間の9月6、7日にファイナルラウンドが行われた。ヴィオラ部門の笠井大暉が第1位、田畑音葉が第3位、ヴァイオリン部門の東亮汰が第2位、ピアノ部門の葛原寛が第3位、室内楽部門のDuo Droom-Kunst(菊野惇之介p/吉村美智子vn)が第1位、Duo Suono(佐藤大樹p/和久井映見vn)が第2位と日本勢が躍進した。

東亮汰
葛原寛

 
 結果は以下の通り。(曲目はファイナルラウンド演奏曲)

【ピアノ】
第1位:Timur Mustakimov, USA
第2位:Elia Cecino, Italy
第3位:Hiroshi Katsurahara, Japan(葛原寛)(ブラームス:ピアノ協奏曲第1番第1楽章)
(審査員:Lehel Both、Johannes Kropfitsch、Jura Margulis、Shiran Wang、Zhang Wei)

【ヴァイオリン】
第1位:Stefan Aprodu, Romania
第2位:Ryota Higashi, Japan(東亮汰)(ブラームス:ヴァイオリン協奏曲第1楽章)
第3位:Eduard Steude, Österreich
(審査員:Aric Braude、Linnea Hurttia、Anna Kandinskaya、JongEun Lee、Orfej Simic)

【ヴィオラ】
第1位:Hiroki Kasai, Japan(笠井大暉)(マルティヌー:ヴィオラとオーケストラのためのラプソディ協奏曲)
第2位:Zeyang Kan, China
第3位:Otoha Tabata, Japan(田畑音葉)(マルティヌー:ヴィオラとオーケストラのためのラプソディ協奏曲)
入選:Conrad Jacobshagen, Germany
(審査員:Sophie Arbuckle、Krzysztof Komendarek-Tymendorf、Ivan Podyachev、Nora Romanoff-Schwarzberg、Qi Wang)

【室内楽】
第1位:Duo Droom-Kunst, Japan (菊野惇之介p/吉村美智子vn)
(モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ K.304/サン=サーンス:死の舞踏 op.40/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番)
第2位:Duo Suono, Japan (佐藤大樹p/和久井映見vn)
(シューマン:3つのロマンス op.94/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第1番)
第3位:accio piano trio, Austria
(審査員:Jiri Hlavac、Catalin Ilea、Elisabeth Kropfitsch、Qi Wang、Byron Yue)

International Johannes Brahms Competition
https://www.brahmscompetition.org/en/

 本コンクールはブラームスが1877年から79年にかけて避暑地として夏を過ごしたとされるオーストリアのペルチャッハにて開催。コンクールの創設者はウィーンを代表するピアニストの一人であるヨハネス・クロプフィッチュ。第1回は1994年にスタートし、今回は30回目の記念の回となる。コンクールの方針は原則30年間変わっておらず、審査の「透明性」を重視しているところが特徴。各出場者の演奏後に公開で審査を行なっている。三原未紗子(ピアノ)や北村陽(チェロ)など、近年日本人の優勝者も多い。

Duo Droom-Kunst(菊野惇之介p/吉村美智子vn)
Duo Suono(佐藤大樹p/和久井映見vn)
ヴィオラ、ヴァイオリン部門ファイナルラウンド出場者
室内楽ファイナルラウンド出場者

写真:Theo Luschnig