ライプツィヒを拠点に欧州各国で活躍する実力者が見参!
兵庫県立西宮高校音楽科から、シュトゥットガルト音大に進学。パリ国立高等音楽院やリューベック音大、ローザンヌの高等音楽院でも学び、欧州各地で活躍中のオーボエ奏者の副島理沙。リューベックやチューリヒの歌劇場のアカデミー生、フランス国立管、ノルウェー放送管などにも出演している気鋭の「今」を知ることができる絶好の機会が、6月18日開催の東京オペラシティのB→Cシリーズだ。「長く続いているシリーズに出演できて光栄」という副島が選んだのは、オーボエのオリジナル作品と、オーボエ以外の楽器のための作品だ。
前半はバッハのト短調ソナタに続き、オルガニストとしても人気のフランス人作曲家エスケシュによる「カントゥスIII」。そしてデュティユーの名作ソナタ、そしてドイツの作曲家キルシュの「ダンス(サトゥルヌスの紋章)」がプログラミングされた。後半はバッハのフルート・ソナタで始まり、メンデルスゾーンの「無言歌集」から〈ヴェネツィアの舟歌〉ほか6曲。細川俊夫の「スペル・ソング——呪文のうた」は、尺八や筆の動きからインスピレーションを受けた作品で、繊細な響きの魅力を味わえることだろう。
2022年からハンブルグ・アンサンブル・レゾナンツのゲスト首席をメインに活動しているが、これまでチューリヒ歌劇場オーケストラにもゲスト首席として参加し、オペラに親しんできた経験も持つ副島。最後にヴェルディのオペラにもとづくパスクッリの「《椿姫》の素敵な思い出」をとりあげる。オペラのモティーフを軸に、華やかな技巧も披露する曲で、「歌手の方が歌っているような演奏ができたら!」という。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2024年6月号より)
2024.6/18(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
https://www.operacity.jp