東京文化会館シアター・デビュー・プログラム
⾳楽劇《シミグダリ⽒または⻨粉の殿》(新制作)

多才な作曲家が描くワクワクの冒険物語! 

 東京文化会館は、自主事業を通して、様々な創造発信を行っている。子どもたちに舞台芸術を鑑賞する機会を提供する事業として、オリジナルの舞台作品を企画制作・上演する「シアター・デビュー・プログラム」もその一つ。

 8月6日には新制作の音楽劇《シミグダリ氏または麦粉の殿》が小ホールで上演される。ギリシャ民話を原作とし、久恒秀典が脚本・演出を担う。昔々のギリシャの姫君・イリヤ姫が麦粉などで作った恋人・シミグダリ氏を遠い国の悪い女王によってさらわれ、姫がシミグダリ氏を探しに行くというファンタジー。イリヤ姫をウィーン国立音楽大学大学院で学んだソプラノの梅津碧、シミグダリ氏をオペラでも活躍する新進気鋭のバリトン・菅原洋平、金の女王を元宝塚歌劇団娘役トップスターの月影瞳が演じる。演奏は、ヴァイオリンの岸本萌乃加、チェロの加藤文枝(ともに東京音楽コンクール弦楽部門入賞者)。

 一番の注目は、新垣隆が音楽監督・作編曲・ピアノ演奏を担うことであろう。新垣は、現代音楽だけでなく、映画、ゲームなど、幅広いジャンルの作曲で活躍。「ジェニーハイ」というTV番組発の超個性派バンドではキーボード奏者を務める。今回の音楽劇では、そんな彼が、様々なクラシック音楽を編曲するだけでなく、一部新曲も披露するという。物語のなかで一体どのような音楽を聴かせてくれるのであろうか。小学生向けと記されているが、大人も観てみたい、興味津々の音楽劇である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2023年6月号より)

2023.8/6(⽇)14:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
https://www.t-bunka.jp