第20回出光音楽賞受賞者が決定

 主にクラシックの音楽活動を対象に、演奏者の意欲、素質、将来性に重きを置き、若い音楽家を顕彰している出光音楽賞の第20回受賞者の4名が決定した。受賞者にはそれぞれ賞状と賞金300万円が贈られる。年内には授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラ・コンサート」が開催され、この模様はテレビ朝日系列で全国放送される予定。受賞者のプロフィールは以下のとおり。(五十音順/年齢は2009年12月31日現在)
◎荒絵理子(オーボエ/28歳)
2004年東京音楽大学卒業。第73回日本音楽コンクールにて、審査員満場一致で第1位受賞。併せて岩谷(聴衆)賞、E.ナカミチ賞受賞。ソリストとして新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、セントラル愛知交響楽団などと共演。大学在学中より、水戸室内管弦楽団、サイトウキネン・オーケストラなどに参加している。オーボエを似鳥健彦、和久井仁、小林裕、広田智之、宮本文昭の各氏に師事。2009年4月より東京交響楽団首席オーボエ奏者。
◎河村尚子(ピアノ/28歳)
兵庫県西宮市生まれ。1986年に渡独。ハノーファー国立音楽芸術大学在学中にヴィオッティ、カサグランデ、ゲーザ・アンダなど数々のコンクールで優勝・入賞を重ね、2006年にはミュンヘン国際コンクール第2位を受賞。翌年にはクララ・ハスキル国際コンクールで優勝し、注目を浴びる。ドイツを拠点に、ヨーロッパやロシアなどで積極的にリサイタルを行っている。チューリヒ・トーンハレ管弦楽団、モスクワ放送交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などとソリストとして共演している。これまでに、ウラディーミル・クライネフ、澤野京子、マウゴルジャータ・パートル・シュライバーの各氏に師事。
◎三浦文彰(ヴァイオリン/16歳)
3歳からヴァイオリンを始め、6歳から徳永二男氏に師事。2009年ハノーファー国際コンクールにおいて史上最年少の16歳で優勝。同時に聴衆賞・音楽評論家賞も受賞。ハンブルク北ドイツ放送交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団などと共演。これまでにザハール・ブロン、ジャン=ジャック・カントロフらに師事。ウィーン私立音楽大学に入学し、パヴェル・ヴェルニコフのもとで研鑽を積んでいる。
◎宮田大(チェロ/23歳)
第74回日本音楽コンクールチェロ部門第1位、同時に増沢賞・徳永賞・岩谷賞(聴衆賞)を受賞。2009年、第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初の優勝という快挙を成し遂げる。これまでにパリ管弦楽団、フランクフルトシンフォニエッタ、新日本フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団などと共演。桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを首席で卒業。現在、クロンベルク・アカデミーでフランス・ヘルマーソンにチェロを、ジュネーブ音楽院でタカーチ・カルテットを結成したガボール・タカーチ=ナジにカルテットを学んでいる。