東京フィルとNHKが演奏会の高音質ライヴ実験を実施

 東京フィルハーモニー交響楽団は1月29日、NHKと共同で、演奏会場のサウンドを再現するリアルタイム伝送実験を行った。これは東京オペラシティコンサートホールで開催された東京フィルの「第43回オペラシティ定期シリーズ」演奏会(指揮/ペーター・シュナイダー)を、コンサートホール階下のリサイタルホールにリアルタイムで伝送し、リサイタルホール内に設置された多数のスピーカーで、オーケストラの楽器の配置からホール特有の反射音、また座席ごとによる音の違いなどを忠実に再現したもの。伝送システムはNHKが開発した「高品質ライヴ音場再現方式」。コンサートホールのステージ上約40本のマイクで集音した演奏を、リサイタルホール客席前方に配置した20本のスピーカーで再生(予めコンサートホールの客席でホール特有の響きを分析したデータをもとにリサイタルホールの客席を取り囲む16本のスピーカーで客席位置に応じた響きを作った)した。

再生音はいわゆるサラウンド・サウンドのそれとは次元が違うほどリアルな音で、目を閉じればコンサート会場にいると錯覚するほどのもの。ステージ上の楽器配置の感覚も見事で、特に金管楽器や打楽器が弦楽器の後方から鳴り響く様は大迫力だった。東京フィルは将来、このシステムにより同フィル演奏会の開催が難しい地域での“バーチャル演奏会”の開催も検討したいとしている。