真夏に聴く若きブラームスの情熱
若手ヴァイオリニストとして活躍を続ける伊藤万桜が、親交のあるふたりのアーティストを誘って、ブラームスの名作「ピアノ三重奏曲第1番ロ長調」などを演奏する。コンサートのタイトルは「秘めた熱情 8月のブラームス」だ。
「巨匠ブラームスは私の永遠の探究テーマです」と語る伊藤。「この三重奏曲の初版はブラームスが20歳を越えた頃の作品ですが、金髪に青い瞳の麗しい青年がシューマン夫妻の家を初めて訪問した時のことを想い、胸が熱くなったことを思い出します」。ブラームスは後にこの曲を改訂し、第2版が出版された。「同年代であるピアノの五十嵐薫子さん、チェロの黒川実咲さんとの共演でこのロマンティックな大作に挑み、トリオによる濃厚な時間を楽しみたいと思います」と意欲を語る。
ドイツなど海外での研鑽を積んできた伊藤と、人気・実力を兼ね備えたふたりのアーティストとの共演が、若きブラームスの情熱を蘇らせる。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2022年8月号より)
2022.8/13(土)14:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:MIグループ03-6913-3401
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