音楽を愛する純粋な思いが、結実する場と言えよう。長野の林業の町・木曽で1975年、ヴィオラの巨匠ウィリアム・プリムローズが公開レッスンとコンサートを開いたのをきっかけとして、翌年にスタートした木曽音楽祭。世界的な演奏家の来演などで聴衆を驚かせ、幾度かの危機も地元の人たちの熱意で乗り越えてきた。
40回目の節目となる今年も、ピアノの野島稔や寺嶋陸也、ヴァイオリンの久保陽子や加藤知子、チェロの山崎伸子、オーボエの古部賢一らわが国を代表する名手が集結する。木曽文化公園文化ホールを舞台とする3つのフェスティヴァルコンサートで披露されるのは、シュポアの八重奏曲やフォーレのピアノ五重奏曲第1番(8/22)、生誕150年のR.シュトラウスの弦楽四重奏曲やラインベルガーの九重奏曲(8/23)、弦楽七重奏版のR.シュトラウス「メタモルフォーゼン」に加えて、野島のソロでベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(8/24)など。一線演奏家たちと地元の人々の思いが、ここでまた、ひとつになる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)
8/22(金)〜8/24(日) 木曽文化公園文化ホール 他
問:木曽音楽祭事務局0264-21-1222
http://www.town-kiso.com/music