レジェンドが奏でる圧巻のスペイン・プロ
2019年のデビュー50周年から2年。荘村清志の活躍はますます盛ん、名匠の汲めど尽きせぬバイタリティには敬服の念すら湧き上がるが、その荘村がリニューアルされた浜離宮朝日ホールでこの11月に「ギター名曲選 Vol.2」リサイタルを行う。昨年11月には同ホールにてVol.1を開催、その際のプログラミングはタルレガとバリオスをメインとし、そこにスタンリー・マイヤーズの「カヴァティーナ」や「禁じられた遊び」が加えられたもの。そして今回はリサイタルのテーマがずばり“スペイン”であり、アルベニス、トゥリーナ、グラナドスらの傑作が惜しげもなく披露される。
Vol.1のタルレガや「禁じられた遊び」、そして今回の演奏曲目を見るに、やはり荘村清志にとってのスペイン、そして師であるナルシソ・イエペスの存在の大きさを感じないわけにはいかない。ある意味“原点回帰”とも言いうるこのシリーズ、ますます円熟味を増した荘村の演奏で再びマスターピースに接する喜びは大きく、これはギターファンならずとも必聴だ。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2021年11月号より)
2021.11/20(土)14:00 浜離宮朝日ホール
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/