デュオ・プロコピエフ・ダフチャン

シベリア発の熱気に満ちた斬新なデュオサウンド

 哀愁と情熱、上質な諧謔が交錯する、独特のサウンドを堪能したい――。

 一昨年に開かれた「第9回大阪国際室内楽フェスタ」で、第1位にあたるメニューイン金賞と、フォークロア特別賞を受賞した「デュオ・プロコピエフ・ダフチャン」は、バヤン(ロシア式アコーディオン)とドムラ(ロシア伝統の撥弦楽器)によるデュオ。全国10ヵ所を巡るツアー「グランプリ・コンサート」で、高い技巧と深い音楽性、エンターテインメント性を兼ね備えた妙技を披露する。

 3年ごとに開催されている、「大阪国際室内楽コンクール&フェスタ」。弦楽四重奏など編成を定めた「コンクール」、2〜6人の範囲で楽器も人数も自由な「フェスタ」という構成で、それぞれで第1位を獲得した団体による「グランプリ・コンサート」は、日本各地の人々に室内楽の楽しさと奥深さを伝えるとともに、次代を担う子供たちへ身近に音楽を体験してもらうため、1994年から毎年開催されている。

 同デュオは、2010年に結成。メンバーのニコライ・プロコピエフ(バヤン)とアルチョーム・ダフチャン(ドムラ)は、共にシベリア出身で、その中心都市ノヴォシビルスクを拠点に国際的な活動を続けている。ステージでは、日本でもおなじみの民謡「一週間」に基づくニコライ・ブダーシュキン「ロシアン・ファンタジー」や、チャイコフスキー「四季」からの名旋律など、自国の調べを軸に。さらに、ヘンデルやモーツァルトなどクラシックから、ピアソラのタンゴ、アメリカ民謡まで、多彩な調べを独特の味付けで聴かせる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年11月号より)

第9回大阪国際室内楽フェスタ グランプリ・コンサート2019
デュオ・プロコピエフ・ダフチャン
2019.11/17(日)14:00 トッパンホール
問:日本室内楽振興財団06-6947-2184/アーツ・プラン03-3355-8227
http://www.jcmf.or.jp/ 
※全国公演の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。