フランソワ・ルルー&日本フィルが挑む、ベートーヴェン&プロコフィエフの堂々たる名曲二本勝負!

左:フランソワ・ルルー ©ThomasKost
右:諏訪内晶子 ©TAKAKI KUMADA

 フランソワ・ルルーは、現代を代表する優れたオーボエ奏者であると同時に、近年は指揮者としても活躍している。ドイツの室内オーケストラ、カンマーアカデミー・ポツダムの芸術監督を務めるほか各地のオーケストラに客演、日本フィルハーモニー交響楽団の指揮台にも2022年、24年と登場し、大好評を博してきた。

 早くも3回目の登場となる今回は、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲で始まる。独奏は、ルルーが約20年ぶりの共演をとても楽しみにしているという諏訪内晶子。彼女が日本フィルと共演するのは、2019年にインキネンの指揮でサロネンのヴァイオリン協奏曲を演奏して以来、7年ぶりのことになる。今回はヴァイオリン協奏曲の王様というべき名曲だけに、諏訪内のファンならずとも聴きのがせないものとなるだろう。ルルーは夫人のリサ・バティアシヴィリとの共演などでこの曲の指揮経験を重ねており、諏訪内とも息の合ったコラボレーションを聴かせてくれるはずだ。

 そして後半は、プロコフィエフの代表作である交響曲第5番。ルルーは、ラヴェルに通じるような、叙情性と透明感をもつオーケストレーションの魅力に惹かれるという。第二次世界大戦末期に書かれ、人間の精神の自由を讃えたこの作品こそ、現代の世界において聴かれるべきだというルルーの熱い思いは、どんな音楽を日本フィルから引き出してくれるだろうか。

文:山崎浩太郎

(ぶらあぼ2026年7月号より)

フランソワ・ルルー(指揮) 日本フィルハーモニー交響楽団 第782回 東京定期演奏会
2026.7/10(金)19:00、7/11(土)14:00 サントリーホール
問:日本フィル・サービスセンター 03-5378-5911
https://japanphil.or.jp


山崎浩太郎 Kotaro Yamazaki

1963年東京生まれ。演奏家の活動と録音をその生涯や同時代の社会状況において捉えなおし、歴史物語として説く「演奏史譚」を専門とする。著書は『演奏史譚1954/55』『クラシック・ヒストリカル108』(以上アルファベータ)、片山杜秀さんとの『平成音楽史』(アルテスパブリッシング)ほか。
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