実力者揃い!東京文化会館チェンバーオーケストラがイタリアの新星指揮者と示す室内オケの妙

エンリーコ・パガーノ

 東京文化会館が主催するシャイニング・シリーズ。第20回では、東京文化会館チェンバーオーケストラがバラエティに富んだプログラムを披露する。

 オーケストラ・メンバーの中心となるのは、これまで多くの逸材を発掘してきた「東京音楽コンクール」の歴代受賞者たち。コンサートマスターには、東京フィル・コンマスを務める依田真宣。上野由恵(フルート)、アレッサンドロ・ベヴェラリ(クラリネット/東京フィル)、岸本萌乃加(ヴァイオリン/読響)、渡邉千春(ヴィオラ/読響)、東川理恩(トランペット/九響)、吉田智就(ホルン)など精鋭たちが集う。

 取り上げる曲は、小編成のオーケストラならではのポテンシャルを引き出すものばかり。ロッシーニの歌劇《ブルスキーノ氏》序曲で始まり、ワーグナーの「ジークフリート牧歌」と続き、ベートーヴェンの交響曲第4番で締めくくられるプログラムだ。そのあいだに、野平一郎の「静岡トリロジーⅠ 記憶と対話」、シルヴィア・コラサンティの「アリア」、日本とイタリアの2つの現代曲を組み入れ、新しい響きを追求する。

 指揮をするのは、イタリアの新鋭、エンリーコ・パガーノ。1995年生まれの指揮者は、19歳でカノーヴァ室内管を立ち上げ、ソニー・クラシカルからのレコーディングもある。イタリアでもっとも期待され、今回が初来日となる若手が、どのような演奏を聴かせてくれるのか、こちらも大いに期待したい。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年2月号より)

Music Program TOKYO シャイニング・シリーズVol.20
東京文化会館チェンバーオーケストラ
2026.2/22(日)15:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
https://www.t-bunka.jp


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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