九州交響楽団 首席指揮者・太田弦が2025年度シーズンプログラム記者発表に出席

太田弦

写真提供:九州交響楽団

 九州交響楽団が10月15日、記者発表を行い、2025.4-2026.3シーズンの主催公演ラインナップを発表。会見には今季から首席指揮者を務める太田弦らが出席した。

 来季の主催公演は、「定期演奏会」(アクロス福岡シンフォニーホール/全9回)に加え、小編成作品を中心に演奏する「天神でクラシック」(FFGホール/全3回)など全28公演を開催。

 太田は定期演奏会に3回登壇。
 フランス音楽を特集する4月のシーズンオープニングでは、ベルリオーズ「幻想交響曲」をメインに、2025年が生誕180年のフォーレから「いつか振りたいと思っていた」という組曲「ペレアスとメリザンド」、同じく生誕150年であるラヴェルのピアノ協奏曲 ト長調(独奏:三浦謙司)を取り上げる。
 9月はブリテン&エルガー「エニグマ変奏曲」が並ぶイギリス・プログラム。ブリテン「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」について太田は、「傑作であるにもかかわらずあまり演奏されない作品。技術的に吹ける人、歌える人が少ない難曲であることも理由のひとつなのかもしれません。今回はテノールに鈴木准さん、ホルンに福川伸陽さんを招き盤石の編成で臨みます」と期待を語った。
 26年2月はマーラーの交響曲第9番。
「2015年の東京国際音楽コンクール〈指揮〉(現・東京国際指揮者コンクール)で入賞し、翌年の披露公演が指揮者としてのデビューでした。それから10年となる節目ですので、今まで手を出していなかったマーラー9番に臨むのに良い機会だと思っています。首席指揮者就任から半年たった今、九響とならいい演奏ができると感じています」

 客演指揮者も充実の布陣。オール・シベリウス・プログラムを振るフィンランドの巨匠オッコ・カム(6月)、楽団員からの再共演を望む声が多いというロシア出身のヴァレリー・ポリャンスキー(12月)ら海外組の他、昨年ハノーファー州立歌劇場の第2カペルマイスターに就任した若手・熊倉優は《トスカ》を振る(演奏会形式/5月)。
 今年2月、音楽監督として最後に指揮した「英雄の生涯」での熱演が記憶に新しい終身名誉音楽監督・小泉和裕は10月に登場。べートーヴェンの第8番とチャイコフスキーの第4番という交響曲2曲を披露する。

 N響の特別コンサートマスターで、今季から九響のミュージック・アドバイザーを務めている篠崎史紀は地元・北九州市で行われる北九州定期演奏会(8月)に登場。ベートーヴェンの交響曲第7番を指揮するほヴァイオリン独奏も務めるという。同じくN響で正指揮者を務める下野竜也は福岡&北九州での第九演奏会(12月)に登壇する。

 また、3月にオープンする福岡市民ホールの開館記念として、福岡県が友好提携を結ぶベトナム・ハノイ市からベトナム国立交響楽団のメンバーを招き特別演奏会を開催(4月)。長らくベトナム国立響の音楽監督を務める本名徹次の指揮で、10名程度の同楽団メンバーとともにドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」などを披露する。

 その他、「九響マタニティコンサート」(指揮:喜古恵理香/4月)、8月の「夏休みリラックス・コンサート」(指揮:太田弦)、春休みの「オーケストラ for キッズ」(ミットグリーダー:篠崎史紀/26年3月)など子ども向けの公演も充実。
 コンビ2年目。信頼を深める太田&九響の新シーズンから目が離せない。

文:編集部

九州交響楽団
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