2つの弦楽器が響き合う親密なアンサンブル
ヴァイオリンとヴィオラのデュオ。作品はそれなりにあるものの、実演で聴けるチャンスは多くはないし、その一組だけでのコンサートとなるとなかなかレアだろう。その貴重な機会が9月に実現する。出演は東京フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターの三浦章宏と、東京交響楽団首席ヴィオラ奏者の青木篤子。それぞれの楽団の中枢を担い、数々のソロ演奏で聴衆を唸らせてきた二人の共演ということで、親密かつ高水準な演奏への期待が高まる。
曲目も興味深く、ヘンデル「パッサカリア」(二重奏版)、モーツァルトの二重奏曲 ト長調 K.423といったこの編成の代表作と、モーツァルトと同世代の弦の名手アレッサンドロ・ロッラのデュオ曲やマルティヌー「3つのマドリガル」など実演の稀少な佳品が並ぶ。デュオの魅力と可能性を体感できるプログラムで、しかもこれほどの実力者たちの共演で聴けるのは弦楽器ファンには嬉しい限り。「互いに敬愛し、高め合う演奏家二人のアンサンブル」(チラシより)を心ゆくまで味わう一夜。
文:林昌英
(ぶらあぼ2022年8月号より)
2022.9/23(金・祝)19:15 杉並公会堂(小)
問:陽向企画コンサート企画部 youkouconcert@gmail.com
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