人間の欲望とその先にある信仰について問いかける

『マッチ売りの話』は、昨年第1弾『箱入り娘』で開始された「近代童話劇シリーズ」の第2弾。おなじみのアンデルセン原作の童話『マッチ売りの少女』と、日本を代表する劇作家の別役実の同名の不条理劇の2作品から構想された。異なる二つの時代の物語がダンスの世界でいかに重なり合うかが、大きな見どころとなりそうだ。音楽は、デヴィッド・ラングの「マッチ売りの少女の受難」と梅林茂の楽曲。一方、『passacaglia』は、オーストリアの作曲家ハインリヒ・ビーバーの宗教音楽「パッサカリア」と、新潟在住の現代音楽家・福島諭のオリジナル音楽を使用する。衣裳はいずれも中嶋佑一。「二つの作品を通して、人間の欲望に満ちた現代社会と、その先にある信仰とは何かを問いかけたい」と金森。新潟、埼玉両公演とも、舞台の息づかいが伝わる小空間を会場に選んだことからも、今回の作品にかける特別な思いが伝わってくる。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ 2017年1月号から)
2017.1/20(金)〜1/29(日)、2/17(金)〜2/26(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 スタジオB
2017.2/9(木)〜2/12(日) 彩の国さいたま芸術劇場(小)
問:りゅーとぴあチケット専用ダイヤル025-224-5521
彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939(埼玉公演のみ)
http://www.noism.jp/