“ヴァリエーション”の世界への誘い

第2回目を迎える今年は、バロック時代から近代までと年代的に幅広い6名の作曲家を取り上げる。プログラムに貫かれているテーマは「変奏曲」だ。ラモーで開始し、モーツァルト(K573)、クララ・シューマン(op.20)、モンポウ、フランク(op.18)の作品を経て、フォーレ(op.73)で締めくくるという、多彩なヴァリエーションの世界へといざなう。唯一、モーツァルトの「アダージョ K540」のみソナタ形式の作品だが、悲痛なロ短調が挿し色のような存在感を放つ。今川のアイディアとセンスの光る一夜となりそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ 2016年11月号から)
12/14(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp