Tag Archive for 東京フィルハーモニー交響楽団

粟國 淳(演出)

「存在の耐えられない苦しさ」こそヴィオレッタの悲劇の核心  イタリアの精神を知り尽くした粟國淳だから、《ラ・トラヴィアータ(椿姫)》はすでに何度も手がけているかと思えば、意外にも、「装置も衣裳もゼロから作るのは初めてなんです」という返答であった。だが、それは創造にとっては好都合な状況だと言えそうだ。 「藤原歌劇団は《ラ…

アンドレア・バッティストーニ(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団 魅惑のオペラ・アリア・コンサート

感動のクライマックスが延々と続く魅惑の2時間半  かつて「三大テノール」の競演が一世を風靡したように、時にオペラ・アリア・コンサートは、上質なオペラ公演もおよばないほどの感銘を聴き手に与える。ただし、「時に」と書いたように条件がある。三大テノールのような圧倒的な歌声のシャワーはその一つだが、もっと根源的な条件もある。ア…

日本オペラ振興会が2019/20のラインアップを発表

《蝶々夫人》から《紅天女》まで人気作&話題作満載!  日本オペラ振興会(藤原歌劇団・日本オペラ協会)が来年度の内容を下記の通り発表した。藤原歌劇団がイタリアオペラ4本(新制作1本)、日本オペラ協会が1本(新制作)の計5演目が並ぶ。実力派と注目の新人がバランスよく配されたキャスティングも魅力。 ・プッチーニ《蝶々夫人》(…

レンズを通した世界を描く〜新国立劇場《魔笛》

 10月3日、新国立劇場の2018/19シーズンがモーツァルトのオペラ《魔笛》で開幕する。大野和士オペラ芸術監督による第1シーズンとなる。  演出は、1980年代末から「動くドローイング」とも呼ばれるアニメーションを制作、『プロジェクションのための9つのドローイング』で世界的な注目を集め「素描とアニメーション等を融合さ…

新国立劇場 2018/19シーズンオペラ 開幕公演 モーツァルト《魔笛》(新制作)

大野和士新体制のスタートを告げる傑作舞台  新国立劇場は、2018/19シーズンから大野和士がオペラ芸術監督に就任。「レパートリーの拡充」をはじめとする「5つの柱」を掲げた大野新監督は、新制作を従来の3作から4作へと拡大。その最初の作品に選ばれたのが、ウィリアム・ケントリッジ演出の《魔笛》である。  このプロダクション…

エディタ・グルベローヴァ(ソプラノ)

コロラトゥーラの女王、その偉業の集大成を聴く  数年前、記者会見の席に現れたエディタ・グルベローヴァは、華やかさと率直さを併せ持つといった、「器の大きいプリマドンナ」であった。オペラ・デビューが1968年というから、今年で実に半世紀、彼女は歌い続けてきたのである。  このとき、筆者は一つ質問を行った。「ベルカント・オペ…

第12回 国際オーボエコンクール・東京

オーボエの新しきスターの誕生、そして名匠たちの豪華なコンサート  時に哀愁に満ち、時に官能的な音色で、聴く者を魅了するオーボエ。「国際オーボエコンクール」は、その真価を掘り下げ、優れた人材を発掘・育成し、国内外への活躍の場を広げるべく、ソニー音楽財団が開催している。12回目の今年、場を軽井沢から東京へ移し「国際オーボエ…

第16回 東京音楽コンクール 本選

新進演奏家たちの頂上対決を目撃する  才能ある若手音楽家を発掘し、その支援や育成を目指して東京文化会館や東京都などが毎年開催、これまで数多くの入賞者が世界の檜舞台へと羽ばたいている「東京音楽コンクール」。16回目となる今年は声楽・弦楽・金管の3部門が開催され、予備審査と2次にわたる予選を通過した俊英たちが、本選へ挑む。…

第4回 ジャック・ランスロ国際クラリネットコンクール Japan 2018

希代の名手の名を冠したコンクールとコンサート  高い音楽表現と近代フランス音楽文化の継承を主眼に据え、2012年にスタートした「ジャック・ランスロ国際クラリネットコンクール」。2年ごとにフランスと日本で交互に開催される他に類を見ないコンクールだが、第4回となる今年は8月26日から9月2日まで、よこすか芸術劇場で行われる…

東西で夏の“オペラ競演”

 7月18日から22日まで東京・上野の東京文化会館では、東京二期会がウェーバーの歌劇《魔弾の射手》を上演しているが、ほぼ同時期となる7月20日から29日まで、兵庫・西宮の兵庫県立芸術文化センターでも同作品が上演されている。  東京二期会はハンブルク州立歌劇場との共同制作で、鬼才ペーター・コンヴィチュニーの演出によるもの…