ホセ・カレーラスが立川で1日限りのオーケストラ付公演

レジェンド降臨! 今もなお聴き手を魅了する情熱の歌声

 「三大テノール」のひとりとして知られ、日本にもファンの多いホセ・カレーラス。2009年にはオペラから引退を宣言したが、その後も世界各地でコンサート活動を続けている。今年7月にはアテネのパナシナイコ・スタジアムで、同じく「三大テノール」のひとりであるドミンゴとの共演コンサートを開催。パヴァロッティ亡き後のふたりが声を重ねる様は、SNSでも一部見ることができるが、往年のファンにとっては感涙ものだった。またバリトンに声種変更したドミンゴと違い、カレーラスは今でもテノールの歌声を保ち続けているのも驚かされる。そしてこの11月、77歳、日本式にいえば喜寿を迎えたカレーラスの歌声を日本で聴く機会がやってくる。公演数はわずか2回だが、特に注目したいのが、11月3日に立川ステージガーデンで開催される、唯一のオーケストラ伴奏によるコンサートだ。

 立川ステージガーデンは2020年4月にオープンした多目的ホール。多摩地区としては初の民間運営のライブエンタテインメントホールで、客席数は約2500と多摩地区最大(スタンディング時の収容人数は3000人を超える)。クラシック、ジャズ、ポップス、ロック、アニソンなどあらゆる音楽ジャンルのコンサートが開催可能なだけでなく、ミュージカルや伝統芸能、さらにはeスポーツや格闘技などのイベントにも対応できるという何ともユニークなホール。また“開かれた劇場”をキャッチフレーズに、ホール内が屋外とつながったり、野外劇場として利用したり、さらには設営や搬入の様子がのぞけたり、普段からホール内を自由に行き来できたり、とまさに新しいエンタテインメントスペースとして注目を浴びている。今回のコンサートは、立川ステージガーデンを運営する立飛ホールディングスの創立100周年記念事業として企画され、カレーラスが同社のまちづくりの想いに共感して実現の運びとなった。

 当日のプログラムは調整中とのことだが、チレアの歌劇《アルルの女》からアリア〈フェデリーコの嘆き〉のほか、トスティ〈最後の歌〉、ガエターノ・ラマ〈静けさに歌う〉、デレヴィトスキー〈心からのセレナータ〉、ララ〈グラナダ〉といったカレーラスお得意の歌曲や、ミュージカル・ナンバーなども予定されているそうだ。

 共演は、日本が世界に誇るプリマドンナの森麻季。ふたりのデュオではサティ〈あなたが欲しい〉、デ・クルティス〈忘れな草〉などが予定されている。もちろん、森のレパートリーからのソロもある。オーケストラは、日本でもっとも多くオペラのピットに入っている東京フィルハーモニー交響楽団。指揮は、カレーラスのコンサートにはなくてはならないデイヴィッド・ヒメネス。まさに「役者は揃った」というべき豪華な布陣で贈る、たった一夜限りのスペシャルなコンサート。この日、立川ステージガーデンはちょっとしたオペラハウスの趣に彩られるにちがいない。
文:室田尚子

ホセ・カレーラス テノール・リサイタル2024
2024.11/3(日・祝)18:00 立川ステージガーデン
問:日本アーティストチケットセンター03-5305-4545
  立飛ホールディングス info@tachihi.co.jp

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