ローター・ツァグロゼクが6年振りに読売日本交響楽団に客演する。2016年3月の初共演で、ベートーヴェンやブラームスの交響曲を演奏し成功を収め、19年2月にブルックナーの交響曲第7番で再共演。その後、22年1月にブルックナーの交響曲第5番を披露する予定であったがコロナ禍により入国できず、23年8月には同じく交響曲第8番を指揮する予定が自身の急病によりキャンセルとなった(上岡敏之が代役を務めた)こともあり、25年2月の共演が本当に待ち遠しい。
1942年、ドイツのバイエルン州で生まれたツァグロゼクは、レーゲンスブルク大聖堂の聖歌隊で歌い、55年にはザルツブルク音楽祭の《魔笛》で3人の童子の一人を務めた。ウィーン放送響、ライプツィヒ歌劇場、シュトゥットガルト歌劇場、ベルリン・コンツェルトハウス管などのシェフを歴任。ドイツを代表する巨匠の一人であり、独墺音楽では極めて高い評価を得ている。
今回取り上げるモーツァルトは彼の十八番のレパートリーである。交響曲第41番「ジュピター」は、2006年のN響定期公演でも指揮し、快速の第4楽章で披露した対位法が際立った激しい表現が印象に残っている。あれから円熟味を増したツァグロゼクが読響とどんな「ジュピター」を繰り広げるのか非常に楽しみだ。また、シューマンの「マンフレッド」序曲と交響曲第4番では、まさにドイツ音楽の真髄を聴かせてくれるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2025年1月号より)
ローター・ツァグロゼク(指揮) 読売日本交響楽団
第274回 土曜マチネーシリーズ
2025.2/1(土)
第274回 日曜マチネーシリーズ
2025.2/2(日)
各日14:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390
https://yomikyo.or.jp