Tag Archive for 木下美穂子

【ゲネプロレポート】グランドオペラ共同制作《トゥーランドット》

「オペラが帰ってきた!」ことを実感できる絢爛たる舞台、声、ダンス  プッチーニの絶筆となったオペラ《トゥーランドット》。アリア〈誰も寝てはならぬ〉の存在と相まって知名度の高い人気作だが、なかなか複雑な作品である。女奴隷のリューが主人のカラフを守るために自害する場面までを作曲してプッチーニが急死してしまい、残りはアルファ…

福井 敬(テノール)

困難に立ち向かう王子カラフの勇気と愛を歌う  新型コロナウイルス感染症のためにしばらく沈黙していた日本のオペラ界だが、徐々に公演を再開しつつある。今年のグランドオペラ共同制作は、神奈川・大分・山形でプッチーニ畢生の傑作《トゥーランドット》を上演すると発表された。王子カラフを歌うのは、日本のトップ・テノール福井敬である。…

オペラへ行こう! 動き出す日本のオペラ界

 日本のオペラ公演は、新型コロナウイルス感染症のため、この2月以降まったく上演されなくなってしまった。劇場という「三密」の空間と「歌う」という行為が危険視されたためだ。この間オーケストラや合唱団が実験を繰り返し、安全対策ガイドラインが設定されるなど、クラシック業界は一丸となってコンサートの再開に向けて進んできた。そして…

【レポート】東京二期会スペシャル・オペラ・ガラ・コンサート 「希望よ、来たれ!」

実力派歌手たちがオーケストラと共演してつながった オペラへの希望  日本のみならず世界のオペラ界が経験したことのない空白だった。新型コロナウイルスの感染拡大で、3月には舞台も演奏会も途絶え、いま再開しつつあるものの道のりは平たんではない。とりわけオペラは、歌うという行為が飛沫を伴うため、上演のハードルが高いとされる。7…

高関 健(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

最高の歌手陣とともに集大成として臨む《トスカ》  常任指揮者の高関健とともに躍進する東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が、3月定期演奏会でプッチーニの歌劇《トスカ》(演奏会形式)に挑む。東京シティ・フィルの演奏会形式上演のオペラといえば、2000年代に当時の常任指揮者(現 桂冠名誉指揮者)、飯守泰次郎の指揮で《ニー…

文京シビックホール 20周年記念公演ラインアップ

記念年を寿ぐファン垂涎の充実のコンテンツ  2000年春にオープンした文京シビックホールは、大小2つのホールを有し、音楽から、バレエ、歌舞伎、伝統芸能、演劇、落語まで広く区民に親しまれているが、とりわけ音楽は、その独自の企画から地域住民以外のファンにも注目されている。そして、この秋から来年秋にかけて、20周年記念公演を…

新宿文化センター × 東京フィルハーモニー交響楽団 フレッシュ名曲コンサート 千人の交響曲

若き鬼才がホールに新たな歴史を刻む  2016年に東京フィルの首席指揮者に就任したアンドレア・バッティストーニは、同フィルとともに意欲的なプログラムに取り組んでいる。特にオペラなどの大規模な作品の演奏には目を見張るものがある。これまでに演奏会形式で《トゥーランドット》、マスカーニ《イリス》を取り上げ、今年11月にボーイ…

東京シティ・フィルが2019-20シーズンラインナップ発表

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が2019-20シーズンの定期演奏会ラインナップを発表した。東京オペラシティとティアラこうとうで全13公演が予定されている。来季は、常任指揮者の高関健、桂冠名誉指揮者の飯守泰次郎に、首席客演指揮者の藤岡幸夫が加わった新体制。  新シーズンは、高関によるブルックナーの交響曲第1番(…

神奈川県民ホール・オペラ・シリーズ2018 グランドオペラ共同制作 ヴェルディ《アイーダ》

一級の歌手たちと、バッティストーニの劇的かつ緻密な指揮  スペクタクルなオペラの代表格のように思われている《アイーダ》だが、実は作品のキモは若いカップルの静かな死にある。ただし、静けさを際立たせるためにも、「凱旋の場」をはじめスペクタクルな場面が輝いていなければいけない。そういうメリハリをつけるのに長けた指揮者の最右翼…

アンドレア・バッティストーニ (指揮)

 この10月、一大オペラプロジェクトが日本列島を縦断する。ヴェルディの《アイーダ》が、札幌にオープンする札幌文化芸術劇場hitaruのこけら落としを皮切りに、神奈川、兵庫、大分の4都市で計6回上演されるのだ。この各劇場と複数の団体が共同制作するグランドオペラの指揮を執るのは人気絶頂の若きマエストロ、アンドレア・バッティ…