Tag Archive for 佐藤紀雄

【CD】メロディア/山田岳

 音楽が音楽の概念の外側へと逃走していく、困った、そして尖ったアルバムだ。電子音との競演(ヴァン・デル・アー)、摩擦音などの多重録音(三輪)、エレキギターとベースの録音の作曲家自身によるリミックス(中川)。口笛や歯ぎしりによるパフォーマンス(ステーン=アナーセン)の後には、調弦をずらした5台のギターがパワフルな打撃音を…

アンサンブル・ノマド 第67回定期演奏会

様々なめぐりあいが未知の音楽を生む  ギタリスト佐藤紀雄の呼びかけによって集まり、斬新なプログラムで活動を続けるアンサンブル・ノマド。その第67回定期演奏会は、フルート奏者で作曲家の木ノ脇道元によるプロデュースで開催される。  公演は「出会いVol.2 〜呼び交わす頌歌〜」と題され、マーラーと李白、藤倉大とディキンソン…

【CD】Viaggio/Barchetta

 トランペットとギター。佐藤秀徳と佐藤紀雄によって2016年に結成された「Barchetta」は、デュオとしては異色な両楽器からどのような音世界が生まれるか興味津々だが、本デビューアルバムを聴くとお互いが親密に寄り添って静謐な空気が醸成されるその感覚が実に独特だ。佐藤秀徳のトランペットは模範的なレガートと稀有な音色を持…

“Born Creative” Festival(ボンクリ) 2019

子どもも大人も“新しい音楽”に夢中になる一日  今年も「ボンクリ・フェス」が開催される。「ボンクリ」とは Born Creative、人は生まれながらにして創造的という意味。東京芸術劇場を会場に開催される、世界中の「新しい音」を聴ける1dayフェスティバルだ。作曲家の藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務める。 …

【CD】音の万華鏡/原田亮子&佐藤紀雄

 ありそうで少ないヴァイオリンとギターのデュオCDに面白い1枚が登場。内容がありきたりではなく、原田のために書かれたユニーク極まりないバスケスの「渦巻きの庭」以外の曲も全て原曲からの編曲が施されている(1曲のみ原曲ママのソロヴァイオリン曲はあるが)。例えばフルートのためのレパートリーとして有名なラヴィ・シャンカールの「…

“Born Creative” Festival 2018、歌劇《ソラリス》、「藤倉大 個展」

この秋、藤倉大の芸術に触れる “音楽を聴く”環境  声で、楽器で、コンピュータで音楽を生みだす。生みだすのはこれら、広義のメディア=媒体だが、その発音を司るのは人だ。メディアと人とが結びついて音楽が生まれる。つながりをつくるのが演奏家であり、場を設定するのが作曲家。そんなふうにみてみたらどうだろう。  藤倉大、15歳で…

結成20周年記念 “饗宴”〜メンバーによる協奏曲集〜 Vol.3 アンサンブル・ノマド 第61回 定期演奏会

記念シリーズは個性際立つコンチェルトで    アンサンブル・ノマドは、楽器編成から奏法まで作曲家の様々な要望に自在に対応できるフレキシブルな団体として現代音楽界をリードしてきた。今年結成20年目を迎えるが、聴き手を楽しませる企画力も長きにわたる支持を勝ち得たその魅力の一つだ。  記念シーズンに彼らが贈るのは「“饗宴(シ…

サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2016

多彩な現代音楽シーンを伝える真夏の8日間  現代音楽の祭典サントリー・サマーフェスティバルといえば、いまや夏の終わりの風物詩。注目は何といっても2013年からスタートしたザ・プロデューサー・シリーズだろう。特定の企画立案者が、自らの審美眼や問題意識に基づいて選曲する。演奏の“いかに”だけでなく、チョイスの“なぜ”という…

野坂操壽(箏)

二十五絃箏の魅力を存分に味わう一夜  伊福部昭、増本伎共子(きくこ)、井上鑑、近藤譲、湯浅譲二、山本純ノ介。興味をそそる作曲家たちの名前が並ぶのは、昨秋、文化功労者に選ばれた箏曲家・野坂操壽(旧名・惠子)のリサイタル。伊福部の二十五絃箏のための「胡哦」(1997)で幕を開ける。四半世紀前の1991年、野坂が完成した新し…