【CD】音の万華鏡/原田亮子&佐藤紀雄

 ありそうで少ないヴァイオリンとギターのデュオCDに面白い1枚が登場。内容がありきたりではなく、原田のために書かれたユニーク極まりないバスケスの「渦巻きの庭」以外の曲も全て原曲からの編曲が施されている(1曲のみ原曲ママのソロヴァイオリン曲はあるが)。例えばフルートのためのレパートリーとして有名なラヴィ・シャンカールの「魅惑の夜明け」は、ここでのデュオによってまたフルートの明快とは異なる幽玄な雰囲気を湛えた世界を現出させているし、先に記したバスケス作品では両楽器の多様な奏法によって特異な音色を追求。われわれはまだヴァイオリンとギター・デュオの可能性を知らない?
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2019年7月号より)

【Information】
CD『音の万華鏡/原田亮子&佐藤紀雄』

R.シャンカール:魅惑の夜明け/J.S.バッハ:ソナタ ト長調BWV1021/エルガー:2つの小品(夜の歌・朝の歌)/バスケス:渦巻きの庭/権代敦彦:Mae Nam Khong〜水の母〜ヴァイオリンとギターのための 他

原田亮子(ヴァイオリン)
佐藤紀雄(ギター)

コジマ録音
ALCD-7235 ¥2800+税