日本とブルガリアをつなぐ母娘デュオによる奥深い響きの世界
「パンチョ・ヴラディゲロフ」の名を聞いても、ピンとくる人は、我が国では少ないかもしれない。だが、ブルガリアにおいては最も活躍した、国民的な作曲家だ。その作品の紹介に力を注ぐ、内田万海・久己の母娘による「Duo Uchida」が、2台ピアノのための作品の、美しく奥深い響きの世界へいざなう。
13歳からベルリンに留学し、作曲やピアノを学んだヴラディゲロフ。ドイツでも創作・演奏活動を行ったが、1940年に首都ソフィアのブルガリア国立音楽院(現在、ヴラディゲロフの名を冠する)の教授に就任して祖国に腰を据え、ブルガリア現代音楽協会の創立に関わるなど、偉大な足跡を残した。
祖国の民族音楽にジャズや西欧の要素を交えた独特の、しかし耳なじみの良い作風。様々なジャンルに作品を遺したが、ピアノのための改作も多く手掛けた。今回は、晩年に手掛けた2台ピアノのための作品を特集。管弦楽版も存在する「ブルガリア組曲」など彼の自作から、有名なディニークの「ホラ・スタッカート」など、他者の作品の名編曲まで、多彩に弾き尽くす。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2021年4月号より)
*新型コロナウイルス蔓延防止等重点措置適用のため、本公演は7月3日に延期となりました。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
2021.4/18(日)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
https://www.bflat-mp.com