指揮者の大野和士が2015年9月からバルセロナ交響楽団の音楽監督に就任することが決まった。23日に行われた記者会見で明らかにした。
今回の就任について同楽団ジェネラル・マネージャーのフランソワ・ボウ氏は「大野のオーケストラを啓発し、発展させる能力、また彼の成熟度と経験、幅広いレパートリーへの見識、国際的な知名度、そしてカタルーニャに対する敬意と理解」が大野を音楽監督に任命する理由となったと説明した。
会見で大野は「こんにちは。私は、バルセロナ交響楽団の音楽監督に就任することに、大変喜びを感ずるとともに、大いに誇りに思います」というカタルーニャ語の挨拶で会場を沸かせたあと、次のように述べ、音楽監督就任の決意を表明した。
「この素晴らしい楽団とは、一昨年に初めて共演し、それ以来、楽員からの音楽監督就任への熱い要請をいただきました。今回お受けする運びになったことを大変嬉しく思います。この楽団の音楽性、規律、響き、そしてそれらをかたちづくる様々な国籍と文化を持つ演奏家が混じり合うことによって生まれる色彩感を、私はあえて“地中海の宝石”と呼びたい。多種多様なプログラミングと録音などを通じて、このオーケストラとの関係を早く確立し、その後、日本の皆様の前にも“宝石”の輝きをご紹介したい、と思っております」
大野は現在フランス国立リヨン歌劇場の首席指揮者を務めており、2015年4月には東京都交響楽団の音楽監督就任が決定している。ブリュッセルのベルギー王立モネ劇場とリヨン歌劇場での功績により、指揮者としての手腕を高く評価されている大野は『現在の音楽シーンにおける最も素晴らしい音楽感性の持ち主。そして“特別な現象”』(仏・フィガロ紙)と評されている。
バルセロナ交響楽団 http://www.obc.cat/