N響オーチャード定期プレイベント SP対談『小川典子×茂木健一郎』レポート

 2月2日の第77回N響オーチャード定期演奏会を間近に控えた1月15日、同演奏会でピアノを演奏する小川典子と、クラシック音楽の著書も多数ある脳科学者の茂木健一郎の対談「演奏会への招待状〜クラシック音楽への誘い〜」が、オーチャードホール・リハーサル室で行われた。

 雪の予報も出るほどの寒さのなか、抽選で選ばれた100名以上ものファンが来場、二人のための対談席と、用意されたグランドピアノを前に期待が高まる。
 そんななか、二人が颯爽と登場して対談がスタート。
 
 リハーサル室という場所に入る機会の少ない茂木は「僕、リハーサル室ってめったに入らないから、とても神聖な場所に思えるんです」と興奮気味。
 「日本のホールは、その設備や音響は間違いなく世界一です」と小川。
 現在、一年の半分をイギリスで過ごしている小川と、ケンブリッジ大学で研究員をしていた茂木の話題は自然とイギリスの音楽シーンに。昨年、小川さんが演奏した世界的なクラシックの大音楽祭“BBCプロムス”にも及んだ。

 対談の後半では、2月の演奏会で披露するラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」について、実演をまじえながらの解説で会場のファンからは大きな拍手が。
 小川は「ラヴェルはフランスの印象派と言われる作曲家の中でも代表される一人。スイスの人の血を引いていることもあり、非常に緻密で時計職人のよう。楽譜には非常に細かくいろんな指示がされている。その指示通りに弾いたら、きっちりとラヴェルになるように書かれている。音に色彩があり、ただキレイ、というのではなく、どこかに毒のような香りがある」と、ラヴェルについての想いを語る。

 茂木は脳科学者の立場から「脳科学の研究からもライブを体験することの重要性が実証されています。2月の演奏会は是非聴くべきです!」と強調、質疑応答でも多くの質問をうけ、盛況のうちに終了した。

■N響オーチャード定期演奏会 2013-2014シリーズ
第77回 2014年2月2日(日)
指揮:高関 健
ピアノ:小川典子

ベートーヴェン:序曲「レオノーレ」第3番 作品72b 
ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調作品47

問;Bunkamura http://www.bunkamura.co.jp/
チケット:ローソンチケットLコード:38077

<ここに注目!>
ロシアの聴衆をうならせた高関健とイギリスで活躍する小川典子が共演

2013年2月にサンクトペテルブルク・フィルの定期演奏会へのデビューを成功させるなど、ますます充実度を高めている高関健がショスタコーヴィチの交響曲第5番を指揮する。交響曲第5番はショスタコーヴィチの最も人気の高い名曲だが、その解釈は一筋縄ではいかない。同曲を世界初演したサンクトペテルブルク・フィルを振ったロシアでの体験が演奏にどう活かされるのか楽しみだ。ラヴェルのピアノ協奏曲で独奏を務めるのはイギリスで活躍する小川典子。既に数多くのCD録音を残している彼女は、近年、ドビュッシーの全ピアノ作品集の録音を完成させたばかり。色彩的なフランス音楽も得意としている小川典子のラヴェル演奏に注目だ。国際的にも高く評価される日本の中堅音楽家たちの熟練ぶりを知るには最適のコンサートといえよう。

(c) Masahide Sato

(c) Masahide Sato

●高関健
1977年、カラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝。ベルリン・フィル・オーケストラ・アカデミーで学び、ヘルベルト・フォン・カラヤンのアシスタントを務める。1983年、ニコライ・マルコ指揮者コンクールで第2位、1984年、ハンス・スワロフスキー指揮者コンクールで第1位。広島交響楽団音楽監督、大阪センチュリー交響楽団常任指揮者、群馬交響楽団音楽監督などを歴任。2013年、サンクトペテルブルグ・フィルの定期演奏会にデビュー。

 

 

 

 

 

 

 

(C)S.Mitsuta

(C)S.Mitsuta

●小川典子
東京音大附属高校を経て、ジュリアード音楽院で学ぶ。1987年、リーズ国際ピアノ・コンクールで第3位に入賞。それ以降、イギリスと日本を活動拠点とする。フィルハーモニア管弦楽団やBBCフィルと共演。数多くのCDを残し、最近では「ドビュッシー:ピアノ全作品集」や「モーツァルト:ピアノ・ソナタ集」の録音が話題となる。ギルドホール音楽院教授、東京音楽大学客員教授、ミューザ川崎シンフォニーホール・アドヴァイザーなどを務める。

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