小泉和裕(指揮) 九州交響楽団 東京公演

“勝負曲”で東京の聴衆を唸らせる

小泉和裕
C)勝村祐紀(勝村写真事務所)

 音楽的にブレないマエストロのタクトに導かれ、ファンの声援も熱い九州交響楽団。さらなる高みへ。
 世代交代も功を奏し、演奏のクオリティをぐっと高めている九響が、音楽監督の小泉和裕とともに実に16年ぶりの東京公演を行う。プログラムはベートーヴェンの交響曲第4番変ロ長調と、変ホ長調を基調としたリヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」。今の九響を映し出す好選曲で、管弦打楽器の妙技、ソロコンサートマスター扇谷泰朋の独奏も聴きどころとなる。

 1953年に創設され、1973年に改組しプロ化された九響は、石丸寛、森正、安永武一郎、フォルカー・レニッケ、黒岩英臣、若き日の小泉和裕、山下一史、大山平一郎、秋山和慶らと歩んできた。秋山の首席指揮者時代(2004〜13年)にリヒャルト・シュトラウスやマーラー、近代フランス音楽、声楽曲で評価を高め、13年から小泉が音楽監督に就任。九響創立65周年記念の定期演奏会(18年9月)を彩ったマーラーの「千人の交響曲」はCD化された。小泉=九響のマーラーはこの2月にも交響曲第3番(19年7月定期のライヴ録音)がリリースされる。

 レパートリーという翼を広げつつある九響。3月、満を持しての東京公演のメイン「英雄の生涯」は、昨年70歳を祝った小泉和裕がここぞという場面で指揮してきた勝負曲のひとつでもある。音楽監督就任から7年。引き締まった音楽観を掲げ、奇をてらうことなく大曲に臨む小泉と、豪胆さ、包容力も魅力となる九響の交歓を体感したいものである。
文:奥田佳道
(ぶらあぼ2020年2月号より)

2020.3/14(土)19:00 サントリーホール
問:九響チケットサービス092-823-0101 
http://www.kyukyo.or.jp

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