第18回 齋藤秀雄メモリアル基金賞のチェロ部門受賞者に佐藤晴真、指揮部門に鈴木優人が決定した。2月4日、都内で贈賞式が行われた。同賞は、チェリスト・指揮者・教育者であった齋藤秀雄(1902-1974)にちなみ、財団法人ソニー音楽芸術振興会(現・公益財団法人ソニー音楽財団)が2002年に創設。音楽文化に貢献し、将来一層の活躍が期待される若手チェリストと指揮者に贈られる。
佐藤は1988年名古屋市出身。2018年にルトスワスフスキ国際チェロ・コンクールで第1位及び特別賞、19年にはミュンヘン国際音楽コンクールで日本人として初優勝し、国際的に注目を集めた。受賞に当たって佐藤は「いま留学しているベルリンは音楽を勉強するのにうってつけの都市。自分の興味をもっともっと外へ向け、まだ知らない作品や音に出会い、さらなる成長を目指していきたい」と語った。
一方、鈴木は1981年オランダ生まれ。東京藝術大学及び大学院、オランダ・ハーグ王立音楽院修了。指揮者のほか作曲家、鍵盤楽器奏者としての活動、さらにバッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者、読売日本交響楽団 指揮者/クリエイティヴ・パートナー、調布国際音楽祭エクゼクティブ・プロデューサーも務めるなどマルチな活躍ぶりをみせる。鈴木は受賞のスピーチで次のように述べた。
「齋藤先生は自分が生まれる前に亡くなられたので直接指導は受けていないが、先生の教えを受けた数多くの方が世界中で活躍していて、自分は知らず知らずのうちに先生の影響を受けていたんだとわかりました」
授賞式の最後には佐藤のチェロ、鈴木のピアノでベートーヴェンの変奏曲を演奏、貴重な共演となった。
ソニー音楽財団
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