作品への共感と深い精神性

室内楽ではライプツィヒ弦楽四重奏団とコントラバス奏者の河原泰則が共演。メンデルスゾーンとシューマンの弦楽四重奏曲の後に、シューベルトの「ます」が演奏される。ベートーヴェンとほぼ同時代に生きながら、独自のロマン性、歌の世界を開拓したシューベルト。コントラバスを入れたユニークな編成の室内楽「ます」は、シューベルトの音楽仲間たちとの交流も想像させてくれる作品だ。名手・河原とレーゼルの共演がとても興味深い。
ドイツ・ロマン派の音楽は短い時間の中で大きな変貌をとげていった。リサイタルではシューベルトから始まり、ブラームス、ウェーバー、シューマンが演奏される。《情熱と憧憬》というサブタイトルに最もぴったりな作品は、シューマンのピアノ・ソナタ第1番だろう。レーゼルの磨き抜かれた音によってシューマンの音楽の魅力が輝きだす。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2013年10月号から)
室内楽2 シューベルトの「ます」 ★11月7日(木)
リサイタル2 情熱と憧憬 ★11月9日(土) 会場:紀尾井ホール
問紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 http://www.kioi-hall.or.jp
ローチケLコード37927