2019年度のJXTG音楽賞が決定した。洋楽部門本賞は指揮者の尾高忠明、奨励賞はオーボエ奏者の吉井瑞穂が受賞した。同音楽賞は1971年創設。日本の音楽文化の発展・向上に大きく貢献した個人や団体に贈られる賞で、洋楽部門においては、演奏のほか音楽ジャーナリズムや研究・評論などの分野も対象としている。
尾高は、長年にわたり国内外の楽団のポストを歴任してきた実績に加え、2018年に音楽監督に就任した大阪フィルハーモニー交響楽団でのベートーヴェンの交響曲全曲演奏等での円熟味あふれる解釈などが「比類ない完成度」「自らの指揮芸術の集大成を計ろうとしているかのよう」と高く評価された。
吉井は、長年首席奏者を務めたマーラー・チェンバー・オーケストラで活動や、15年に自ら設立した音楽祭「レゾナンス 鎌倉の響き」での地域との新たな試みにも見られる高い社会意識が贈賞の理由として挙げられた。また、表情ゆたかな演奏は「音楽の喜びを全方位にたちまち伝播させる強い喚起力をもつ」として今回の受賞となった。
JXTGホールディングス
https://www.hd.jxtg-group.co.jp/