飯森範親(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

話題の新鋭チェリストも登場する期待のチャイコフスキー・プロ


 東京シティ・フィルの定期演奏会に飯森範親が客演し、オール・チャイコフスキー・プログラムを指揮する。
 注目は、「ロココの主題による変奏曲」でチェロ独奏を務める岡本侑也。今年5月から6月にかけて開催されたエリーザベト王妃国際音楽コンクール・チェロ部門で第2位を獲得したばかりの新鋭だ。1994年生まれの岡本は、指揮者である父親の仕事の関係でドイツに育った。そして6歳でチェロを始める。帰国後、山崎伸子に師事。2011年、高校2年生で日本音楽コンクールに優勝した。この夏にミュンヘン音楽大学を卒業し、秋からは同大学大学院に進む。次代を担う新進気鋭のチェリストが「ロココの主題による変奏曲」でどんな音楽性を披露するのか楽しみである。
 飯森は、山形交響楽団音楽監督、日本センチュリー交響楽団首席指揮者、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者などを兼務。なかでも、山響の演奏水準を引き上げ、彼らとのモーツァルトの交響曲全曲演奏&録音が高く評価されている。現代音楽にも強い。また、飯森は、かつてモスクワ放送響の特別客演指揮者を務め、彼らとレコーディングを行うなど、ロシア音楽を得意としている。今回とりあげる「イタリア奇想曲」や「交響曲第4番」など、チャイコフスキー作品は飯森にとって、十八番のレパートリーの一つである。
 東京シティ・フィルは、15年に高関健が常任指揮者に就任して以来、若く優秀な奏者も入団し、著しく演奏能力を上げている。飯森とどんな化学反応を起こすのか興味津々である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2017年10月号から)

第310回 定期演奏会
10/19(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
http://www.cityphil.jp/