子どもと大人が最高にクリエイティヴになれる日
東京芸術劇場を会場として5月4日に開催される1日だけのフェスティバルが「ボンクリ・フェス2017」。作曲家・藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務め、コンサートホールでのスペシャル・コンサートを中心に、ワークショップやデイタイム・プログラムなど、多彩なメニューが用意される。
「ボンクリ」とは「ボーン・クリエイティヴ=Born Creative」、すなわち「人はみな生まれながらにクリエイティヴである」という意味。藤倉大が子どもたちに向けて作曲教室を開いた際、「すべての子は新しい音楽や新しい音、変な音が好きだ」と感じたという。その創造性は大人になるにつれて失われていくが、この「ボンクリ」は「大人になっても子どもの創造性を持ち続ける人たちの作品」に触れるためのイベント。つまり、言ってしまえば現代音楽のフェスなのだが、「ボンクリ」と呼ぶことで、ぐっとオープンな姿勢が伝わってくる。
スペシャル・コンサートのプログラムには、藤倉大がデヴィッド・シルヴィアンと長年をかけて共作した「Five Lines」と「The Last Days of December」のライヴ版世界初演をはじめ、坂本龍一や大友良英の新作のほか、武満徹の「秋庭歌」、マデルナの「ひとつの衛星のためのセレナータ」、藤倉大のフルート協奏曲 (アンサンブル版日本初演)といった作品が並ぶ。演奏するのは、アンサンブル・ノマド(現代音楽アンサンブル)、伶楽舍(雅楽アンサンブル)、小林沙羅(ソプラノ)ほか。もちろん藤倉もエレクトロニクスで参加する。
おもしろいのは「スクリームの部屋」。スペシャル・コンサートに入場できない未就学児と同伴者向けに、同公演が別室で同時中継される。0歳児から体験できる「ボンクリ」。これは妙手だ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2017年5月号から)
<デイタイム・プログラム>
5/4(木・祝)11:00〜17:00 劇場内各所
<スペシャル・コンサート>
5/4(木・祝)17:30 コンサートホール
東京芸術劇場
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296
※ボンクリ・フェス2017の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.geigeki.jp/