チェンバロの魅力Ⅴ Peínture〜描く

ロココの絵画と音楽のつながりを紐解く

大塚直哉 ©E.Shinohara
 ソリストやアンサンブルのリーダー、通奏低音奏者として活躍する一方、メディアを通じての啓蒙活動にも力を注ぐ大塚直哉の演奏とトークにより、楽器自体から楽曲の背景まで、その秘密を掘り下げるシリーズ『チェンバロの魅力』。「描く」をテーマとする第5弾は、近世フランス美術と装飾芸術の気鋭の研究者で、東京芸術大学などの講師を務める小林亜起子をゲストに迎える。
 「18世紀のフランスでは、クラヴサン(チェンバロ)のために、美しい小品が数多く書かれました。どれも減衰音を生かし、繊細な装飾を施しつつ、独特の曲線美の世界を形作っています」と大塚は話す。ステージでは、フレンチのブランシェ・モデルの楽器を駆り、フランソワ・クープラン「シテール島の鐘」「フランスのフォリアまたはドミノ」やラモー「ミューズたちの語らい」「キュクロプス」、デュフリ「三美神」などの作品を紹介。さらに、小林のナビゲートで、これらの音楽と同じ題材を扱った絵画作品を紐解いていく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/4(土)14:00 神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-arts.or.jp/