今年は注目の若手アーティストが多数出演!
昨年10周年を迎え、今年、次の10年に向けた新たな一歩を踏み出す、仙台クラシックフェスティバル(せんくら)。「新しいせんくら」として、多くの初登場アーティストやフレッシュな若手を迎えるほか、「せんくら」のみで実現する豪華共演など、注目公演が目白押しだ。
まずは初登場アーティストの公演から。鈴木優人率いるバッハ・コレギウム・ジャパンは、バッハはもちろん、ヴィヴァルディの「四季」などの演目で2公演に出演。
仙台フィルの公演はベテラン指揮者、高関健が指揮する。過去の仙台コンクール優勝者である津田裕也(ピアノ)やスヴェトリン・ルセフ(ヴァイオリン)、そして注目株の若手、牛田智大(ピアノ)や大江馨(ヴァイオリン)と協奏曲を演奏。また別公演では、ムソルグスキー「禿山の一夜」やJ.ウィリアムズの「スター・ウォーズ組曲」など華やかなプログラムを取り上げる。また高関は、例年完売必至、吉岡知広(チェロ)による協奏曲や「第九」、「威風堂々」が演奏されるグランド・フィナーレでもタクトを振る。
人気上昇中の若者たちも続々初登場。サクソフォンの上野耕平は3種のサックスを吹き分ける得意の演目で実力をお披露目。ギター界の次世代を担う朴葵姫(パク・キュヒ)は、名作で繊細な表現を聴かせる。そのほか、萩原麻未(ピアノ)、成田達輝(ヴァイオリン)、西村悟(テノール)、ピアニート公爵としても活動する森下唯(ピアノ)などが名を連ねる。
一方、地元仙台以外の音楽ファンにも注目してほしいのが、「せんくら」でなくては聴けない企画。西江辰郎(ヴァイオリン)と津野田圭(ハープ)や、川久保賜紀(ヴァイオリン)と三浦一馬(バンドネオン)などは、一度耳にしたら癖になりそうな組み合わせ。さらには、津軽三味線の浅野祥とモダンバレエの佐取純子という、未知なる融合も。第1回仙台コンクールの優勝者で多岐にわたるジャンルに精通するジュゼッペ・アンダローロ(ピアノ)は、リサイタルに加え、1966カルテットとのコラボレーションで自らの編曲作品も演奏予定だ。
とにかく豪華なジョイントコンサートとしては、そのタイトルからすでに期待せずにいられないものが多数。「せんくら・フェスティバル・ソロイスツ」公演は文字通りソリストとして活躍する弦楽器奏者らが集結し、バロック作品などを演奏。「スーパー・ガラ・コンサート〜麗しの貴公子、ここに集結!」には、金子三勇士(ピアノ)や三浦一馬をはじめ実力派の男性アーティストが集って名曲ばかりを演奏する。
名手による本格的なプログラムやレアな共演などがあちこちに潜んでいるうえ、どれも料金は1000〜2000円なのだから、遠方からでも出かける価値あり。3日間で87公演もあるので、見落としがないようにタイムテーブルをすみずみまでチェックして、秋の仙台に出かけよう。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ 2016年8月号から)
9/30(金)〜10/2(日) 日立システムズホール仙台(青年文化センター)、エル・パーク仙台、太白区文化センター、イズミティ21(泉文化創造センター) 他
問:せんくら事務局022-727-1872
※フェスティバルの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://sencla.com