●ダンツァ最新号Vol.44よりピックアップ●
ニューヨーク・シティ・バレエ( NYCB)が、総勢140名で4年ぶりに来日する。NYCBといえば、20世紀最大の振付家と評されるジョージ・バランシンが設立したバレエ団。数々の名作を残したが、その中でも「セレナーデ」「シンフォニー・イン・C」など、代表作6作品がラインアップされている。
ー今回のプログラムは、”ザ・バランシン”といえるような、バランシン一色の演目が揃っていますが、通常どのようにプログラミングされるのでしょうか?
「バランシ作品はNYCBの”基盤”ですので、特に海外ツアーではバランシンの演目は外せません。バランシンの天才性のひとつには、”すべてテイストが違う作品”を生み出したことにあると想います。その多様さを楽しんでほしいですね。
特にバランシンは、ストラヴィンスキー、チャイコフスキー、ヒンデミットやビゼーといった作曲家がお気に入りだったそうだが、本公演でも「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ」「セレナーデ」「フォー・テンパラメンツ」と「シンフォニー・イン・C」が本公演では観られる。
ー最大の注目は、「白鳥の湖〜バランシン版」の日本初演ですね。この ”バランシン版”の特徴は何でしょうか?
「これは1951年に創作された作品です。プティパとイワノフが振り付けた全幕作品から、第2幕のアダージオと白鳥のヴァリエーションをバランシンが再振付しています。古典バレエの美しさを活かしつつ、NYCBの特長でもあるモダン・バレエの”活力”を注ぎ込みました。
コール・ド・バレエといえば、”白”が一般的だが、改編されたバランシン版は、”黒のコール・ド・バレエ”としても知られている。この新たな衣裳のために、350メートル以上もの黒い布を購入した制作秘話も残っている。
ー最後に、日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。
「この10月に来日できることを嬉しく思っています。ダンサーにとっても海外で踊れることは素晴らしい経験になるはずです。特に、日本の観客はバレエの知識も深くていつも温かく迎えてくれるので今から楽しみです」
ニューヨーク・シティ・バレエ2013
10月21日(月)~23日(水)Bunkamura オーチャードホール
【プログラムA】
「セレナーデ」(振付:G.バランシン 音楽:ピョートル・チャイコフスキー)
「シンフォニー・イン・スリー・ムーヴメンツ」(振付:G.バランシン 音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー)
「タランテラ」(振付:G.・バランシン 音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク)
「ウエスト・サイド・ストーリー組曲」(振付:ジェローム・ロビンズ 音楽:レナード・バーンスタイン)
【プログラムB】
「白鳥の湖~バランシン版 」(振付:G.バランシン 音楽:ピョートル・チャイコフスキー)
「フォー・テンパラメンツ」(振付:G.バランシン 音楽:パウル・ヒンデミット)
「シンフォニー・イン・ C」(振付:G.バランシン 音楽:ジョルジュ・ビゼー)