カタルーニャのチェリストが、故郷のチェロの巨匠であるパブロ・カザルスとガスパール・カサドの作品を弾く。そのカザルスが名付け親だったというルイス・クラレットのチェロは細身で、一見素っ気なさそうな装いから、じくじくと歌心が立ち上ってくる。「鳥の歌」だけではない、カザルスの抒情あふれる小品での、しっとりとした音色がいい。一転して、カサドの「パルティータ」では、岡田将のピアノとともに、細やかな躍動を立体感も豊かに聴かせてくれる。ベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲(エクストン)も録音している息の合ったコンビだ。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2026年7月号より)
【information】
CD『カタロニアの詩~チェロとピアノのための作品集/ルイス・クラレット&岡田将』
カザルス:チェロとピアノのための5つの小品、鳥の歌/カサド:パルティータ、スペイン古典様式によるソナタ
ルイス・クラレット(チェロ)
岡田将(ピアノ)
録音研究室(レック・ラボ)
NIKU-9077 ¥3080(税込)

鈴木淳史 Atsufumi Suzuki
雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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