デヴローは多ジャンルに及ぶ前衛アーティスト。時間軸上に簡素化された指示記号が散らばる図形楽譜を、本盤ではデヴロー自身がエレキギターで演奏している。作品の同一性を保ちつつ演奏者や楽器によって演奏が大きく揺らぐ構造と現象のずれが、タイトルの「レジスタンス」の示唆するところか。また5楽章ある楽曲ごとの構造の違いは目で見れば一瞬で分かるが、聴覚での把握は困難だ。自身が撮影したブックレットの写真も整然とした都市が靄に包まれていく様子を描いている。構造と現象、視覚と聴覚のあいだのずれは、現実社会でのずれと呼応しつつレジスタンスの意味を多層化させていく。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2026年8月号より)



