【CD】J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV1004-1006/フェデリコ・アゴスティーニ

かつてイ・ムジチ合奏団のコンサートマスターとして名を馳せ、日本在住の現在は水戸室内管等で活躍するイタリア出身の名手による、2024年録音の第1集に続くバッハの無伴奏曲全曲の完結編。まず全体に横溢しているのは強靭かつ引き締まったカンタービレだ。また、パルティータ第2番の「シャコンヌ」の停滞なくして濃密な表現や、ソナタ第3番の第4楽章、パルティータ第3番の第1楽章等の快速部分のなめらかさにも魅せられる。これはモダン楽器の美点とイタリア人の感性を反映した明朗なバッハ演奏であり、そうしたトーンの一貫性が魅力をなしている。

文:柴田克彦

(ぶらあぼ2026年8月号より)

【information】
CD『J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ BWV1004-1006/フェデリコ・アゴスティーニ』

J.S.バッハ:パルティータ第2番、同第3番、ソナタ第3番

フェデリコ・アゴスティーニ(ヴァイオリン)

マイスター・ミュージック
MM-4555 ¥3520(税込)


柴田克彦 Katsuhiko Shibata

福岡県生まれ。音楽マネージメント勤務を経て、フリーの音楽ライター・評論家&編集者となる。雑誌、コンサート・プログラム、Web、宣伝媒体、CDブックレットへの、取材・紹介記事や曲目解説等の寄稿、プログラム等の編集業務を行うほか、講演や講座も受け持つなど、幅広く活動中。著書に『山本直純と小澤征爾』(朝日新書)、 『1曲1分でわかる! 吹奏楽編曲されているクラシック名曲集』(音楽之友社)。